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階段から転落して思い出しました!89歳まで生きた私、今度の人生は異世界で半島領の次女です  作者:


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領地に走る激震とメイヤの黒い企み

■領地、騒然!


王都でメイヤたちが学園生活を始めていた同じ頃――

領内は、別の意味で大忙しになっていた。


鉛筆とゴアゴア紙の大量生産を見据え、領地の工房群は着々と建設が進んでいた。


・砕いた繊維を処理する“水車バラバラ小屋”

・材料をかき混ぜ続ける“水車マゼマゼ小屋”

・鉛筆の芯を練る“コネコネ部屋”

・芯を焼く“ヤキヤキ部屋”

・完成品を乾燥させる棚工房


領地全体が新産業区画として活気に満ちていた。


そこへ――


ドドドドドッ!!


「領主様への至急の書状! 世界商品登録機構より!!」


ガルドが駆け寄り、封書を受け取る。

セリアとアルトリウスも顔を寄せる。


「何の件か?」


封を開けた瞬間、ガルドの表情が固まった。


「こ、これは……!」


「何だ?」


「メイヤ様のクロスボウ……大人用を 四百丁、近衛隊が正式発注……!」


「……!?」


「「四百!?」」


領主家全員が固まった。


「ちょっと待て、量産なんて……できるのか?」


「無理ね。だってあれ、ほぼ手作業よ?」


セリアは頭を抱えた。


ガルドがメイヤから渡されている“改善メモの束”を取り出して確認するが――


「……量産化の案が、一つもない……」


「くっ……! この状況、断るわけにもいかぬ……!」


ガルドはすぐに走った。


「木工師を! 急ぎ招集だ!」


■木工師たちとの緊急会議


木工師ギルドの棟梁が駆けつけると、ガルドは図面を叩いた。


「このクロスボウ、四百丁作らねばならん。

メイヤ様の“構造メモ”を元に――効率化の案を出せ!」


棟梁はクロスボウをしげしげと見つめる。


「……ほぉ。削りの比率が多いな。木の反り合わせも難しい。だが――水車を使えば“回転削り”ができるかもしれん」


「いけるのか?」


「やってみる価値はある。ただし、追加で水車小屋と加工場を建てねぇと回らん!」


「建てるんだな?」


「当然よ!」


ガルドはすぐに指示を飛ばした。


「追加の水車小屋を二棟! 加工場も増築!

職人の手配はワシがやる! 急げ!」


領地は再び大工事モードに突入した。


「メイヤ様……あなたがいないと、大変ですぞ……」


と、ガルドは遠い王都に向けてため息を漏らした。


■王都・学園 ――貴族は今日も帰る


翌日。

メイヤとリディアが教室に入ると……


「じゃ、出席は取ったから帰るぞー」


「今日もつまらん授業だしな」


貴族の半数以上が立ち上がり、そのまま去っていった。


「またか……」


「昨日と同じだね」


あまりのマイペースぶりに、メイヤもリディアも苦笑いするしかなかった。


■授業中、メイヤの脳内は大忙し


机に教科書を広げながらも――

メイヤの思考は完全に領地モードだった。


(王都の技術者、親が金属加工してたり、紙漉きだったり……“技術持ちの子”が普通にいるじゃん……)


(つまり――ここは“引き抜きの宝庫”ってやつ……!)


口元に不穏な笑みが浮かぶ。


(そして王都。これは需要の宝庫。この世界にまだ無い、領地で再現できる物……探せば山ほどある!)


(あー……だからババア……アグライア様は、私に言ったんだ)


脳裏にあの時のやり取りが蘇る。


“お前さんは、これを見れるようにしておきな!推薦人はこのババアでいいだろうさ!”


(私の“前世の臭い”に気づいたのかな?いや、あの人の方が前世の私より若そうだけど……)


メイヤは一人で小さく肩を震わせた。


リディアが心配そうに覗き込む。


「メイヤ……また悪いこと考えてるでしょ?」


「計画と言ってほしい」


メイヤはニヤリと笑った。


(王都での情報収集。そして――将来の技術者の囲い込み……)


(全部、やってやる)


■領地と王都、それぞれが動き出す


領地では、追加水車小屋と加工工房の建設が始まり――

王都では、メイヤが静かに“未来の人材リスト”を作り始めていた。


この日も、王国の未来は大きく動き続けていた。


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