表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
階段から転落して思い出しました!89歳まで生きた私、今度の人生は異世界で半島領の次女です  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

236/249

倒れて見えた普通

「おいー!タンカー!救護活動!訓練通りに!!」


訓練場に怒号が飛ぶ。


「姉御!!流石に不味いですって!」


「あら?ちょっとやり過ぎちゃって!てへぺろ♡」


「可愛く済むかぁ!!」


「医務室に運べ!衛生担当!負傷者を確認せよ!」


数名が駆け寄り、倒れているナータの状態を確認する。


「息あり!」


「気を失ってる模様!!」


「脈は問題ありません!」


「よし!直ぐに運べ!!」


担架が運び込まれ、手慣れた動きでナータが乗せられる。


その様子を見ながら、セリアは軽く手を振った。


「じゃあ私はこれで〜」


「——お母様?」


ぴたり。


セリアの動きが止まる。


「……変装って、何の事ですか?」


「待ちなさい!!!」


逃げようとした背中に、リディアの鋭い声が突き刺さる。


一方。


少し離れた場所で、近衛隊長は顔面蒼白で固まっていた。


……今の動き……


いや……まさか……


あれは噂だと思っていた……


……実在していたのか……?


——意識が、浮上する。


「……はっ……」


「大丈夫ですか?ナータ様!」


視界に飛び込んできたのは、心配そうな顔。


「……ミュネ……さん?」


「そうにゃ!まだ横になっててにゃ!」


「……何が……起きたの?」


頭がぼんやりする。


身体は……重い。でも痛みは思ったほどではない。


「奥様と実戦訓練と聞きましたが……?」


ナータは天井を見つめたまま、ふぅ、と息を吐いた。


「……ふふ」


「ナータ様?」


「見事に……負けたって事ね……」


ゆっくりと、言葉を噛みしめる。


「それなりに自信はあったのよ。剣も、体術も」


「今まで戦った相手……」


一瞬、沈黙。


「……手を抜かれていたのね」


それを認めた瞬間、胸の奥が少しだけ軽くなった。


——ああ、そうか。


ここでは。


負ける事すら、普通なのか。


ナータは、天井を見つめながら小さく笑った。


……なるほど


これは、面白い領地だわ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ