甘味の代償と管理権限
はぁ〜……本当に、偉い目にあった。
あの後、気になってテンテン菜の畑を見に行ったら――
私が試験的に抜いた数より、更に抜かれていた。
「……あ」
一瞬で理解した。
犯人は――お姉ちゃんだ。
しかも話を聞けば、砂糖の追加生産まで始めていたらしい。
あの短時間で。あの手際で。あの執念で。
……さすがと言うべきか、恐ろしいと言うべきか。
結果として。
通達:その一
犯人リディア・フォン・ルーディア
甘い物、当分禁止令 発動
本人は「えぇ〜〜!」と不満げだったけど、
砂糖を隠れて量産しようとした時点で、情状酌量はなし。
通達:その二
食品関連全般、
お母様(セリア様)経由での書類提出・管理を義務化
砂糖、菓子、加工品、試作品、実験食材。
全部、全部だ。
……正直に言えば。
「まあ、いいか」
という気持ちもある。
今まで全部、私の所に集まってきていたのが異常だっただけで、管理が二手に分かれた分、判断はむしろ早くなる。
何より――
丸投げできる先が、正式にできた!
これは、かなり大きい。
私は技術と方向性を示す。
お母様は食品と嗜好品を統括する。
お姉ちゃんは……しばらく砂糖抜きで反省。
役割分担としては、むしろ理想的だ。
テンテン菜畑は、また増やせばいい。
砂糖は、どうせこれから量産体制に入る。
私は一つ、深く息を吐いた。
「……ほんと、家族って油断ならないわ」
でも――この混乱も、この騒ぎも。
領地が、確実に豊かになっている証拠だ。
次は、砂糖工場の正式立ち上げと、流通経路の整理。
……甘味の代償は、どうやら管理権限だったらしい。
私はそう結論づけて、次の書類の束を手に取った。




