表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
階段から転落して思い出しました!89歳まで生きた私、今度の人生は異世界で半島領の次女です  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

181/195

止まらない現場、追いつかない理解

募集から数日。

結果として、蒸気機関車の運転訓練に集まったのは――合計6名。


全員、基準は問題なくクリア。

操作、基本ルール(まだ未確定な部分も多いけれど)、緊急時対応――

とにかく“走らせるために必要なこと”を詰め込みで訓練中だ。


……ほぼ身内3人ーズ、やっぱり強い。


覚えは早い。判断も速い。

さすがと言うべきか、日頃から現場と書類の両方を見ているだけある。


ただ――。残りの3人


この3人が、また別の意味で手強い。


余計な癖がない。聞いたことをそのまま吸収して、淡々と再現する。失敗しても引きずらない。


あれ……?主戦力、やっぱこっちになりそう……?


まあ、今は蒸気機関車も1台しかない。

これで十分。うん、十分よね。



「はぁ〜……」


私は思わずため息をついた。


メイヤ様の傍にいると、どうしても気疲れする。うちの機構隊長も、最近ずっとあんな調子だし……。

まあ、隊長がああなるのも、分からなくはないけど私は書類を抱え直した。


「さっさと各担当に渡して、戻らないと……」


まずは森。

木材関係の発注が、えらいことになっている。


――と、その時。


「……ん?」


森の入口付近。見慣れない“それ”が鎮座していた。


「……蒸気機関?なんで、ここに……?」


首を傾げていると、声が掛かる。


「あー、パナーさんか!」


振り向けば、学術員。


「うちの学術員がですね小型の蒸気機関を完成を聞きつけて、これを完成させたんですよ!“こっちにも使える”って話になりまして!」


嫌な予感がする。


「……それで?」


「名付けて――クレーン車!」


嫌な予感、的中。


「強化型馬車に蒸気機関を乗せまして!従来の滑車作業を、人力から蒸気機関に変更!ロープ巻き上げ式です!」


彼は胸を張った。


「作業効率、約40%改善の見込みです!」


「……なるほど……」


私は無言で、書類を置いた。


「……書類、ここに置いておきますね」


「はーい!」


……いいのかしら?効率が上がるのは、確かに良い。間違いなく、良い。


――でも。


現場が、止まる気配、まったく無いんだけど……


私は、少し遠くで動き続ける蒸気の音を聞きながら、そっと額を押さえた。


この領地。

もう、誰にも止められない段階に入りつつあるのかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ