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階段から転落して思い出しました!89歳まで生きた私、今度の人生は異世界で半島領の次女です  作者:


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村の散策と“野菜事情”調査

「ミュネ、今日は村に行きましょう!」


メイヤの声に、侍女のミュネはぱっと顔を明るくした。


「はい、もちろんお供いたします!」


背中の簡易バインダーには、メイヤお手製の“押し花カード”が何枚も挟まれている。

ひよこを譲ってくれた農家へのお礼と、今日の聞き取り用メモの準備は万端だ。


■ ひよこをくれた農家へご挨拶


村の入口を抜け、石畳と土道が入り混ざる小路を歩く。

鶏の声と、畑からの土の匂いが混ざり、なんとも言えない田舎の心地よさを感じさせる。


目的の農家に着くと、軒先で玉ねぎを束にして干していたおばあさんが手を振った。


「あらまぁ、領主様のお嬢じゃないかい。ひよこは元気かい?」


「はい! とっても元気です。これ、その……お礼に!」


メイヤは押し花をあしらった小さなカードを差し出す。


鮮やかな色の花弁が紙の茶色に映えて、素朴ながら上品な一品だ。


「まあ……こりゃあ綺麗だこと……! こんなの初めて見たわ」


おばあさんは目を細め、大事そうに胸に抱きしめた。


(よかった……紙ができたからこそ作れたんだ)


ミュネも誇らしげに微笑んでいる。


■ 農家に“野菜事情”を聞いてみる


せっかく来たので、メイヤはメモ板を構えた。


「ところで、今この村ではどんな野菜を育ててるんですか?」


「そうだねぇ……うちは玉ねぎと豆が多いよ。育てやすいからね」


別の農夫が加わる。


「うちは麦と甘菜かんな。甘い根っこの野菜で、保存がきく。冬の主力だな」


さらに奥の畑からおじさんが声をかけてきた。


「最近は土が痩せてきててなぁ。前より育ちが悪い。肥料がもっとあれば、他の品種にも挑戦できるんだが」


(やっぱり……どこの畑も同じ問題なんだ)


メイヤは丁寧にメモを取る。


――現在の主力作物は

・麦

・豆

・玉ねぎ

・甘菜(サツマイモと大根の中間のような根菜)


どれも保存性が強い、いわば“安全な作物”だ。


「他にも育ててみたい野菜はありますか?」


「そりゃあ色々あるさ。寒さに強い葉物とか、料理の幅が広がる香草とか……でも土がなぁ」


農家たちの悩みは共通していた。


肥料不足。

土力の低下。

新しい品種への挑戦ができない。


(……やっぱりピヨピヨ計画は正解だったんだ)


そう確信しながら、メイヤは村の奥へと足を進めた。


■ 小さなヒント


道中、干してあるハーブや、畑の隅に植えられた見慣れない草を見つける。


「ミュネ、この草は何?」


「あれは香草のですね。肉の臭み取りに使う程度ですが……畑の隅だけで育てているのは、成長が遅いからでしょうね」


「肥料がたっぷりあれば……もっと育つかもしれないわね!」


メイヤの目が輝いた。


(野菜だけじゃない……香草や薬草まで生産できるようになるかも!)


領地の可能性が、また一つ見えた気がした。



「ミュネ、今日の聞き取り……とても良かったわ!」


「ええ、メイヤ様のメモのおかげです」


バインダーに挟まれたメモは、もうびっしりだ。


「ピヨピヨ計画が進んだら……次は“畑の改革第二弾”ね」


メイヤの胸に、新たな計画の種が静かに芽を出し始めていた。

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