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神様と呼ばれた精霊医 ~その癒しは奇跡か、祝福か~ 【原作完結済】  作者: 川原 源明
第18章 動き出す厄災、救国の聖女

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第309話 スコルとハティ

 白一色の狼と赤毛と白毛の狼——


 大きい——


 迫力——


---


「えっと……、スコルさんは初めましてですよね……」


 私は何と言っていいのかわからず困った。


「そうだな」


 赤毛の狼——スコルが答える——


「あの、なんで私のところに?」


「なぁに、しばらくはあんたの護衛やらをやれってウォンバルから言われてな」


 スコルは女性の声なんだけど、口調が男っぽい感じがする。


 サバサバしている——


「そういうことだ、しばらくの間世話になる」


 ハティはラマンサであった時と変わらず落ち着いた感じだ。


「そうなんだ……、よろしくお願いします……」


「で?どうする?」


「どうするって……、ロスロイで起こってる戦を止めて中に入りたいかな……」


「ふぅ~ん、じゃあ止めるか」


「やるのか?」


「その方が手っ取り早いだろ」


 ぇ?やるって何を!?


「あの!やるってなにを?」


「んなの簡単だ、町の外にいる連中を滅ぼせば終わるだろ」


「ダメダメダメダメ!」


 スコルは、ほんとうにウォンバルの子らしい考え方だ。


「なんでだよ」


「この子は、必要以上の被害を出してほしくないらしい」


 ハティが説明してくれる——


「面倒だな……、じゃあどうするんだよ」


「例えば、両方の指揮官が居なくなったりとか……」


「そういえば、精霊に命じてやったんだっか?」


「ウォンバル様と一緒にいた戦いの事ですよね……?」


「あぁ、というか、あんなやつに様なんていらんぞ」


 自分の親をあんな奴って——


「神様に様付けしないと……、バチが当たりそうで……」


「あいつがお前にそんなことするとは思えんが」


「それは同感だ」


「なんで……」


「そんなことしたら、あいつがメネシスから大目玉喰らうだけだからな」


「それだけ、創造神が貴女を気に入っているのだ」


 ハティの言葉を聞いて何故?って思った。


「気に入られるようなことをした覚えないんですけどね……」


「そうか?お前のやってることは、この星の運命を動かすことだぞ」


「ぇ?今回の流行り病に取り組む事がですか?」


「それは違う、君が友人を、そして母子を守るために始めた治療方法の事だ」


「あぁ……、切って治すってやつですか」


「あぁ、そうだ、お前の先代も、医療を大きく進歩させたが、お前はお前でそれ以上に動かしてるんだよ」


 先代とは、リタの事だと思うけど、今の自分にはリタ以上の事をしているとは思えない。精霊達から聞くリタの話はもっとすごいものだと思う。


 実感がない——


「そうなんだ……」


「まぁ、本人は実感がないのだろう」


「だろうな、でどうする?」


 スコルがハティに向かって言った。


「表に出て叫べばいいのでは?」


「お前がやるか?」


「いや、そういうのは姉上の方が向いてるだろ」


「はぁ……、そうするか……」


 すごくめんどくさそうな感じなんだけども——


『まん丸、ゴーレムで旗を持った方がいいかもしれません』


『そうだね~、そうしようか~』


 まん丸が近くの地面に降り土を纏い始めた。


 ゴォォと——


「旗とは何だ?」


 スコルが私に向かって言った。


「治癒院のシンボルとウォンバル様の横顔を描いたものなんですけど」


 私はマジックバッグから旗を出した。


 バサッと——


 広げる——


「ふぅ~ん」


 ダメだったかな?


「ウォンバル様の顔勝手に使っちゃダメだったりしました?」


「いや、そんな決まりはないだろ、なぁ?」


 スコルがハティに同意を求めると、ハティも頷いて返した。


「あぁ、特に貴女が使う分には問題ない」


 それは、私以外が使ったら問題があるって聞こえるんだけど——


「えっと、プライヤーの町の城壁にいっぱい立ってるんですけど大丈夫ですかね」


「あんたの勢力が抑えているって意味ならいいんじゃないのか?」


「そういうことなら問題ない」


「そうですか」


---


 気づけば、まん丸だけではなく、地の子達も土を纏いゴーレムになっていたようで、辺りにはたくさんのマッドゴーレムたちが居た。


 ズラリと——


 並んでいる——


「これ、みんなに旗を持たせるの?」


『その方がよくない~?』


 争いが収まるならそれでいいんだけども——


 こんなに必要なのかな?


 私はそんなことを思いながら、マッドゴーレムたちに旗を配った。


 一体、一体と——


「ほれ、私の背に乗れ」


 スコルがしゃがみ乗りやすくしてくれたので、背中に乗ろうとしたら——


「ミャ!」


 肩にいたキャットバットが、急に飛びだしていった。


 パタパタと——


 どこへ?


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