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神様と呼ばれた精霊医 ~その癒しは奇跡か、祝福か~ 【原作完結済】  作者: 川原 源明
第18章 動き出す厄災、救国の聖女

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第308話 氷スライダー

 眼下にあるロスロイの町と町を包囲している陣を見ていると——


 山上からだとあまり分からないが、陣側は人が整列しているのが見える。


 町側も城壁の上に人が居るように見えた。


 遠くで——


 戦の気配——


「どうやら戦中ですね」


「だな、どうする?」


「そうですね、山を下ったらそれぞれで町の中に行きましょうか」


「ぇ……?」


「賛成だ、私は仕事柄必要以上に注目されたくないからな」


 アリアナの言い分はよくわかる。だけど——


「ラミナ君の場合は表から堂々と動いたほうがいいと思いますよ」


「それはいいんですけど……、先生は……?」


「左の方にある村が見えますか?」


「ぇ?」


 ロスロイと思われる街と陣のほうに注意が行っていて気づかなかったが、左の方に小さな漁村らしき村があった。


 静かにひっそりと——


---


「あの村がなにかあるんですか?」


「気になるんですよ、村の中の動きがほとんどない」


「あぁ、あの村は王国軍が来た瞬間に王国側についてる」


「なるほど、略奪されているのではなく、食料供給に使われている感じですか」


「あぁ、元々前回の戦で解放軍に略奪されたらしいからな」


「ダメじゃん……」


 民の為を思って動いている軍が略奪って——


「戦というのはそういうものです。軍を維持するには食料が必要です。士気を維持するにも食料が必要だったりしますからね」


「まぁ、飢えたまま戦いたくないだろ?」


「そうですね……、けどそれなら買えばよくないですか?」


「そんなお金があればいいがな……」


「食料を買うお金もなかったと……」


「略奪をしたって事はそういう事だろ」


「ん~、どちらも好きになれない……」


 私は素直にそう思った。


「それじゃあ先生は村の方に?」


「えぇ、例の疫病が行ってないかをね」


 また一人で正面からか——


 そんなことを思っていると——


『いいんじゃないですかね』


『せやなぁ、客人が待っとるで』


『ラマンサ大森林で会ったハティだ!』


『姉のスコルも一緒だな』


「なんで……」


『ハティは恩返しじゃないでしょうか?』


『二人ともウォンバル様の子なんだよ~』


「それで……?」


「どうしました?」


「えっと正面からでも大丈夫な気がしてきました……」


 ハティとスコルの件は話してもいいのかが分からず濁してしまった。


「そうですか、ラミナ君、キャットバットの子達が入ったバッグを預かってもいいですか?」


「はい」


 私は肩から掛けていたキャットバット達が入ったバッグをヴィッシュに手渡した。


「ありがとうございます。それでは麓まで下りたら別れましょう」


「了解だ」


「はい」


「では行きましょう」


 再びまん丸が先導してくれながら降りていく、ヴィッシュもアリアナも身体強化を使いながらうまく下っていくが、私はそうはいかなかった。


 下り坂というだけなら問題ないと思うが、強化魔法を使っての下り坂というのが厄介だ、勢いよく地面に着地するせいか、体重が前に持って行かれて何度も転びそうになる。


 バランスが——


 取れない——


「うわぁった……」


『重心を後ろにしとくんだ』


 グレンのアドバイス通りにしようと努力はするものの、どうしても前に体重が行く、アリアナとヴィッシュを見てみると、二人とも慣れているのか重心は前に傾いた状態でうまく走っている。


 難しい——


『少し力を貸しましょうか』


「ん?」


『氷の板を出すので、そちらに乗ってください』


「うん」


 スピードを落とし、アクアが出してくれた分厚く大きな氷の板の上に飛び乗った。


 ヒヤリと冷たい——


 所々につかめるようなところだったり足を置く場所があるので、それに合わせて手足を置く、ポケットの中にいたキャットバットが私の肩のところへと登ってきた。


「冷たぁ……」


 キャットバットも冷たいって感じたから登ってきたのだろうか——


『それでは行きますよ』


 アクアが言うと、少しだけ宙に浮いていた氷の板が着地し地面をすべるように下りていく。


 シャァァと——


 こちらはまん丸が作ってくれた道ではなく、アクアが作ってくれた氷の道を氷の板で滑って下っていく。


 板の上にうつ伏せで乗っているせいか、ものすごいスピードが出ているように感じる。


 速いし怖い——


 走行位置はアクアが作った氷の道が調整してくれるので私はただ乗っているだけだが、結構怖い。氷の道が平らではなく、半円に近い形状をしているためかカーブの時は板も縦に近くなるためか横に滑り落ちそうになったりしている。


 風がすごい——


 次第に先を走る二人を追い抜いていく。


「ねぇ、このまま激突とかしないよね……?」


『大丈夫ですよ』


 アクアが大丈夫というなら大丈夫なのだろう——


 そんなことを思っていると、どんどんスピードを上げ下っていく、そして目の前には、森に囲まれた池が見えてきた。


 キラキラと——


 水面が光る——


「もしかしてあそこに……?」


『えぇ、板の後ろの方へ移動できますか?』


「うん……」


 ものすごいスピードで下る中、つかむ位置を変えようとしたけども一苦労——


 必死にしがみついた——


 そんなことをしていると——


『着水と同時に後ろに氷を追加しますね』


「ありがとう」


 そしてアクアが作った氷のコースが池の畔で切れ、そのまま勢いよく着水した。


 ザバァァッ!


 水しぶき——


 冷たい——


 後方に重心がある為か、水面を何度も飛んでは着水、飛んでは着水を繰り返して対岸の畔にたどり着いた。


 パシャ、パシャ、パシャと——


 リズミカルに——


「……、ついた……」


 ようやく——


 止まった——


「ずいぶん派手な登場だなおい」


 声が聞こえた——


「……」


 目の前のしげみから2匹の大きな狼が姿を現した。


 白一色の狼と赤毛と白毛の狼——


 大きい——


 迫力——

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