表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様と呼ばれた精霊医 ~その癒しは奇跡か、祝福か~ 【原作完結済】  作者: 川原 源明
第18章 動き出す厄災、救国の聖女

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

304/331

第304話 キャットバット

 下り坂に入った。


 前方に広がるのは、木、木、木、木、木!木がいっぱいある!


 深い緑——


「一つ山を越えたな」


「そうですね、もうじきシアトン樹海に入りますね」


「となると……」


「キャットバットの縄張りですね」


「襲ってきますかね……?」


「襲ってくるというよりは、彼らは動くものに興味を持ちますからね、基本人間を襲う事はあまりないですよ」


「やつらは数が多いとうっとおしい」


「まぁ、遊んでくれ~って感じで寄ってきますからね」


 なんというか、フゥみたいな感じなのかな?


---


「それよりも、お前の手に残った匂いに寄って来るだろうな」


「そうですね、まだ匂いが残ってますからね」


「ぇ?」


 手を鼻の前に持ってくると、確かに匂いが残っている気がするけど、そんなに強くはない気がする。


「少し匂う位ですよね?」


「やつらの嗅覚を侮るなよ……」


 アリアナがそう言った瞬間——


「ミャ」


 どこからか変な声が聞こえた。


「遅かったようですね」


「ぇ?」


「お前の後ろ」


 ん?


 後ろを振り向くと尻尾まで合わせても20㎝位の小さな生き物がいた。


 ふわふわ——


 茶色い毛——


「これ?」


「あぁ、幼獣みたいだがな」


 小さな生き物が私の右手に停まる。


 軽い——


「ミャ、ミャ!」


 小さな鳴き声——


「なんか可愛い」


「成獣でもう10㎝位大きいくらいですからね、小ささと見た目も相まって人気があるんですよ」


「メレス王国じゃ飼ってるやつは少ないらしいがな」


「ゴールデン・ヴァインにしろ、シルバー・ヴァインが手に入りにくいですからね」


「蓬莱じゃないと育たないからな……」


「この見た目で、クレイジーラットを狩れるんですか?」


「えぇ、彼らは自分よりも一回り大きいくらいなら立ち向かっていきますよ」


「へぇ……、クレイジーラットって見たことないけど、どれくらいの大きさなんです?」


「ちょうどその子位のはずですよ」


「あっ、そうなんだ……」


 さっきから羽をパタパタさせながら、私の手を舐めているんだけど……。


 小さな舌——


 ペロペロと——


---


 その時——


 キャットバットの様子が変わった。


「ミャ……ぁ……」


 力が抜けたように——


 コロンと——


 馬車の床に落ちた——


「ぇ?」


 床の上で、キャットバットがトロンとした表情で横たわっている。


 目が虚ろ——


 ニヤけている——


「あっ……」


「まぁ、良予想通りだな」


「完全に酔ってますね」


 アリアナとヴィッシュが苦笑している。


 その瞬間——


「ミャ!」


「ミャミャ!」


「ミャァァ!」


 次々と——


 声が聞こえてくる——


 そして——


 何匹もの——


 キャットバットが——


 馬車の中に飛び込んできた——


「うわっ!」


 私の右手に——


 群がる——


 ペロペロと——


 舐められる——


「ミャ!」


「ミャミャ!」


 必死に——


 匂いを求めて——


 五匹、六匹、七匹——


 どんどん増えていく——


「ちょ、ちょっと!」


 右手が——


 キャットバットで埋まっている——


 もふもふ——


 温かい——


 でも——


 くすぐったい——


「あはは、くすぐったい!」


 そして——


 一匹、また一匹と——


「ミャ……」


「ミャぁ……」


 コロンと——


 床に落ちていく——


 トロンとした表情で——


 幸せそうに——


「なんか、すごい光景ですね……」


 ヴィッシュが呆れたように言った。


「完全に酔っ払いの集会だな……」


 アリアナも笑っている。


 気づけば——


 馬車の床には——


 十匹以上のキャットバットが——


 トロンとした顔で——


 転がっていた——


 私の右手は——


 舐められすぎて——


 ヌルヌルしている——


「うぅ……」


『大変やったなぁ』


『可愛かったけどね~』


 精霊たちが笑っている——


「さて、どうしますか?」


 ヴィッシュが尋ねた。


「このまま置いていくのもあれですし……」


「全部連れていくか?」


「うーん……」


 床に転がっているキャットバットたちを見る——


 可愛い——


 でも——


 こんなにたくさん——


「連れて行こうかな……」


 私は、そう答えた——


「まぁ、これくらいで十分だろ」


「そうですね、試すという意味では十分な数ですね」


「そういえば、クレイジーラットを襲ったら、この子達は感染しないんですかね?」


「変異種に関してはどうなんでしょうね、通常種に関しては耐性があるのは把握していますが……」


「ま、やってみないとだろ」


「そうですね。樹海に入る手前で野営としますか」


「だな」


 樹海の入り口と思われるところから少し離れたところに馬車を止め野営の準備をすることになった。



読んでくれてありがとうございます!


「面白い!」「続きが気になる!」「応援したい!」と思っていただけたら、

作品ページ上部の【☆評価】【ブックマーク】、そして【リアクション】ボタンをポチッと押していただけるととても励みになります!


みなさんの応援が、次回更新の原動力になります。

引き続きよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ネズミ退治なら猫だよね。そして猫にはマタタビと。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ