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神様と呼ばれた精霊医 ~その癒しは奇跡か、祝福か~ 【原作完結済】  作者: 川原 源明
第11章 夏休み!

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第178話 自然災害?

 城を出てそのまま王都ミネットも出た。


 王都から少し離れた所でルナに乗った。


「最短で前線まで行ってくれる?」


『ブ、ブブ……』


「到着まで寝てていいかな?」


『わかりました。到着したら起こしますね』


「うん、お願い」


 ルナに掴まり目を閉じる。


 ルナは私が休んでいる事を気にしてくれてかあまり揺れないように走ってくれた。


『ラミナ、ついたで』

『起きてください』


 身体を起こそうとして気づいた。植物の蔦が身体中を巻いていた。


 落ちそうになったから固定してくれたのかな?


「ミント、ごめんねありがとう」


『ええって、ついたで』


 どこかの丘の上らしく、月明りを頼りに見ると、眼下の“平原?”には大きな川を挟んで両軍の陣営があった。


「どっちが味方?」


『右側ですよ、そして左にあるのがステルツィア王国側の陣営になります』


 お互いに目視できる位置に居るのかな?


「お互いの陣がある事は把握してるの?」


『えぇ、把握してますが、両陣営共に設営中と言ったところです』


「暗くて分からないんだけど、数ってどれくらいいるの?」


『ステルツィア側は約三万、一方ミネユニロント王国側はまだそろっていないというのもあり1万も居ない状態ですね』


「それってさ、今攻められたら終わりじゃん」


『あっちは物資が届いてねぇからな、今攻めるって選択肢はないぞ』


「そっか、じゃあしばらく大丈夫なのかな?」


『今夜は風が強いよね~』


 フゥに言われて気づいた。確かに東側のステルツィアから西側のミネユニロントに風が強く吹いていて、風の子達が多く舞っていた。


『雨はまだ降る見込みは無いですね、ですけど空気が乾燥していますね』


 川沿いなのに?


「川沿いで空気乾燥とかあるの?」


『時期によりますが、ありますよ』


 今がその時期ってこと?

 と言うか、精霊達が何か起こそうとしている気がしてならなかった。


「今夜はこの丘で一泊?」


『えぇ、それがよろしいかと、ラミナは寝ていましたけど1時間程ですからね、ちゃんと休みましょう』


 二~三時間位寝ていたかなと思ったけど、違ったらしい。


「そっか、まん丸お願いして良い?」


『いいよ~ちょっとまってってね~』


 まん丸がそう言うと、いつもみたいな、しっかりした家と感じる物では無く、本当に簡易的なドーム状の物だった。


「いつもみたいなのじゃ無いんだね」


『この場所は双方からも見えるからな、家が立っていたら警戒するだろ』


『そういうことです、今夜は我慢して貰って良いですか?』


「あぁ、ごめんね、理由知らなかったから聞いてみただけだから」


『大丈夫だよ~』


『ラミナ、あっちみてみ』


 ミントが指さしたのは、ステルツィア王国側の陣営だった。


「火に包まれてる?」


 火の子ども達がチラホラいるのは野営地なんかでいつものことだからあまり気にすることでは無いけれど、陣内の複数のテントに火が付いているように見えた。


『風で松明の火がテントに移ったんだ』

「なるほど……」


 精霊達の仕業と思ったけど気のせいかな……。そう思っていると、風に炎が煽られ、次々と燃え移り始めた。


「なんか……、燃え広がってるね……」


『食料なんかが燃えていますからね』


 ちがう、私が気になっているのは、風下に燃え広がるのは理解できるけど、風上側に燃え広がっていることと、風の子達が異様なくらいに集結しているのが気になった。


「フゥ、あそこ子ども達が集まってるけど何やってるの?」


『あそこ、火のせいで風の流れがめちゃめちゃなんだ』


『暖かい空気は上に行くからな』


『そう、だから通常の風の流れとは別に上に行く気流が出来てるんだ』


「それで子ども達がうろうろしてるって事?」


『だろうな、おまけに森にも火が燃え広がってるからな……』


 次第に風と火の子ども達が狭い範囲でうろうろし始めた。


「なんかおかしくない?」


『火災旋風だな』


『辺りの火の勢いが強くて』


 なんというか、魔法でも使ってるのかと思えるくらいに赤い竜巻がステルツィア王国の陣内で育ちうろうろし始めた。


「ん……、これ戦争延期しそうだよね……」


『出来るような状況じゃねぇだろ』


『自然災害ですからね』


 内心“ほんとに?”と思ったが口には出さなかった。


 成り行きを見守ったが、火災旋風が森の方もうろうろし鎮火したのは夜明け近くになっていた。


「火収まった?」


『一応な』


 結局寝ないまま夜が明けた。


 明るくなるとステルツィア王国側の陣が悲惨な状態になっているのが分かる。


「人居なくなってるよね?」


『昨夜のうちに陣を放棄したようですからね』


 どう見ても死体やら物資やらが散乱していた。


「グレン、死体焼却してくれる?」


 精霊達から以前死体は放置すると感染の元になるとか言ってた記憶があるから、さっさと始末するに限る。


『あぁ』


「放棄された物資とか回収しておこうか」


 ミッシェル達が居ないミネユニロント王国陣に言ってもあれだし、とりあえず持っておこう。


『ええんちゃう?燃えてない食料とか結構あるで』


『だな』


 ローブを纏い、ステルツィア王国の陣の跡地で色々使えそうな物を回収して、ステルツィア王国の王都を目指した。


読んでくれてありがとうございます!


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