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第158話 ふたたびラミナ暗躍

 教会を出ると、日が落ち暗くなっていた。


 町の中を屋敷に向かって歩きながら考える。どうやって助けて、どうやって逃げるかを……。


「と言うわけで、これから助けに行くんだけど、どうすべきでしょうか?」


『とりあえず、屋敷の外側を回ってみれば良い』


『そうですね、逃げる際には最悪は海に飛び込めば私がサポートしますよ』


 遠目で見てもかなりの高さがあった気がするけど……。


『助けた後の手段やんな』


「うん、ルナに二人を乗せられると思う?」


『アカネとラミナを乗せて平気そうでしたからね』


『ブ、ブブブブ』

 

 ルナの言葉はほんとに分からない……。


「ルナが行けるなら、ミネユニロント王国領の町まで二人を送って、私は歩いて脱出とかかな?」


『そうですね、そうなるとラックバードじゃないルートの方が良いでしょうね』


『だな、東のザパルパを経由してコアトラだろな』


「じゃあ、ルナには2人を乗せて、コアトラだね」


 私一人ならどうとでもなるしこれしかないだろうと思う。その前にルナが大丈夫だと信じた選択肢だけど、大丈夫だよね?


『ブ、ブブ……』


 一応頭を上下に振ってるけれど……。


「大丈夫って事で良いのかな?」


『大丈夫じゃないですか?』


「んじゃ、ルナを信じて2人を助けに行こうか」


 屋敷に向かって思った。崖下に門があり、屋敷のある高台まで結構な急斜面な階段を登った。


 屋敷の敷地内は植木やら花やらがあったが日が落ちているためか外には誰も居なかった。


 屋敷の周辺を歩いて思った。崖から落ちないようにする柵が無い……


 一番右奥の部屋をのぞくために屋敷の裏側に回り部屋をのぞいてみると、ラミィーとシーアが居た。


 2人はテーブルに並んだ夕食を摂っていた。


 ただ近くにメイドが2人いる。


「どうしようか……」


『おそらくですが、シーアが気づくと思いますよ』


「なんで?」


『あいつのスキルが魔素視だからな』


 どんなふううに見えるのだろうか?


「私の魔素に気づくと」


『そういうことだ』


 中を時々確認しながら外で待っていると、シーアが、私がいる窓に近づいてきた。


「ラミィー、少し気分転換に海風にあたらないかい?」


「ん?どうしたの?」


 シーアの言葉にラミィーも寄ってきた。


「いや~なにかちょっと暑くてね」


「そう?」


 シーアは私に気づいているが、ラミィーは不思議そうな感じでシーアと一緒に窓の近くまで来た。


 メイド達は2人が食べた後の食器を片付けていた。


 窓を開け2人が外に出てきた。


「ふぅ~良い風だね」


「そうですね、本当にどうしたの?」


「もう少ししたらメイドたちが部屋を出る。それまで待って」


 シーアが少し声を抑えて誰もいない夜空に向かってつぶやいた。


 これは私に対してのメッセージだ。


「ん???何か言った?」


「いや、ちょっと荷物を取りに行こうか」


「荷物?」


「あぁ」


 窓を開けたまま、シーアが中に戻っていく、ラミィーはシーアの行動の意図が掴めず戸惑って居る様子だった。


『メイドが出たら、扉に細工したろ』


「簡単には戻ってこられないようにだよね?」


『せや』


 メイド達が外に出た瞬間、シーア荷物を持ってこっちに駆けてきた。


「シーア?」


 ラミィーも荷物を持ってこっちに走ってきた。


「ラミナいるんだろ?」


 シーアが私がいる方をまっすぐ見て言った。


「うん?ラミナ?」


 何のことか分かってないラミィーは辺りを見て私を探していた。


 私はフードを外した。


「ルナ!」


『ブ、ブブ』


 と鳴くと2人が乗りやすいように膝をついた状態で姿を現した。


「この子に乗って、コアトラまで運ぶから!」


「すまない、恩に着る!ラミィー行くよ!」


「ん、ラミナありがとう!」


 メイド達が戻ってきたのか、扉を叩いたりしているようだった。


 2人がルナの背に乗ると、ルナが立ち上がり領主邸から去って行った。

 

「これでミッション完了」


『せやな』


 ミントがそう言うと、扉が開きメイド達が部屋の中に入ってきた。


 そして2人がいない状況を確認すると、報告するためか1人のメイドが部屋から廊下に出て行き、1人があいている窓の方に来た。


 フードをかぶり、息を潜める。


 外を見回ったりと、私の前をうろうろしていた。


『どうする?やるか?』


『やらんでも、侯爵に殺されるやろ』


 それならメイドを殺すんじゃ無くて、侯爵自体をやるべきな気がする。


 ゆっくりとその場を離れ、屋敷の正面の方に来たが、屋敷の執事やらメイドやらがシーア達を探している様子がみられた。

 

「侯爵を自然死したように見せかけられる?」


『それなら俺じゃ無くてアクアだろ』


『そうですね、先のレジェンドと同じようにすれば簡単ですよ』


 心臓を凍らせると……。


「お願い」


『分かりました。少し離れますね』


「うん」


 これで罪のない人達が殺されることは無いはず。


 次はここの領民達をなんとかしないとだ。


『お待たせしました。依頼通りにしてきましたよ』


「ありがとう、町に戻ろう」


 その後、シーア達を探し回るメイドやら執事やらとぶつからないように、敷地の外に出た。


読んでくれてありがとうございます!


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