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第152話 食べられないよ

 地の子らが解体を進めている間、まん丸とグレンがバーベキューの準備を始めていた。


 実体を持ってるまん丸が、私とミントが集めてきた倒木やらを割って薪にし、グレンが火をつけて肉を焼き始めていた。


 食べるの私だけだと思うんだけど、私の意思無視かな?


 どうみても食べきれない量の肉を焼いているように見えるけど……。昼食と夕食分併せても多いように見える。


「ねぇ、まん丸、私それ以上食べきれないよ?」


『ぇ~?』


「ぇーじゃなくて無理だからね……?」


『じゃあ、夕食と~明日の朝の分も』


 夕食分はともかく、朝からそんな量のジューシーなお肉はちょっと……。


『ラミナ、皿代わりの葉とりにいこ』


「そんなのがあるの?」


『あるで、こっちや』


 森の中に入ってすぐの所に大きな葉をつけた。


「これ?」


『この木、魔素を吸っとるん、ほんでな葉が天然の付与魔法が付いてんで』


「へぇ~どんな」


『保温や』


 葉っぱに保温?


「保温……?葉っぱにそんな機能いる?」


『いるやろ~冬場でもぬくぬくなんや』


「へぇ~、雪とかもすぐ解けちゃう?」


『とけるで~』


 使い方によっては便利なのかな?


 葉っぱを数枚とってから、まん丸達の居る所に戻った。


『それに夕食分と、朝食分分けてもらっとき』


「だってまん丸、分けて」


『ほい~』


 まん丸に渡すと、1枚の葉に一応食べられそうな量を盛ってくれた。


「これをカバンにしまっとけばいいかな?」


『そうしておいて~、まだ葉っぱ持ってるよね~?』


 昼食分と、夕食分確保したけど……?


「あるけど……、今度はいつの分?」


『すぐ食べられるように~?』


「あ~」


 まぁ、今焼いている肉も食べられる量ではないし、葉っぱを追加して渡した。


 まん丸に葉を渡すと先ほどと同じように焼肉を盛って返してくれた。


 受け取った葉を畳みカバンにしまった。


『これくらいなら食べられるよね~?』


「まぁそれ位なら」


 現実的な量になった。


『じゃあ~はいこれ~』


「味ついているの?」


 ただ焼いていただけのように見えたけど。


『ついているよ~』


 一口食べてみると、たしかに塩分が効いていた。


「これ岩塩?」


『よくわかったね~すぐそこで取れるんだよ』


「あっそうなんだ、あとで取って行こう」


 調味料系は取れるときに取っておきたい。


『いいね~お肉はどう~?』


「共有してなかった?」


『する前にのみ込んじゃってる』


「あぁ、ごめん」


 次の肉を口に入れると、なんというかすごく柔らかい。こりっこりした食感と肉のうま味、舌に広がる豊かな風味が、なんというか今まで食べたお肉の中では最高に美味しいと思える味だった。


『美味しいよね~、これを越えるのはドラゴンステーキ位だよ~』


『うちもそう思うわ、これ以上はドラゴンステーキやな』


『そうですね、アークドラゴンの尾のステーキは美味しかったですね』


『竜王バハムートの肉を食ってみたいな』



 竜王って言う位だと、すべての生物の頂点ってイメージなんだけど……、そんなものの肉食べるの?


『だね~最上位ドラゴンのお肉ってどんな味がするんだろうね~』


「どこに居るのさ……」


『天空大陸の果てに居るよ~』


「あ~この前歴史でやってたやつ……」


『そうです、魔法を暴発させた結果空に飛ばされたラムウ大陸ですね』


 アクアの解説込みだけど、スペルン遺跡のように、魔素が湧き出ている所で、未完成の魔法陣を使った結果、魔法が暴発して地中の魔石が浮遊石化して大陸全体が空に浮いたとか、にわかに信じられない話だった。


「でも行く手段なんてないじゃん……」


 さすがにウォータージェットを地面に向けて飛んでも届かない自信がある。


『行くとしたら、フゥが居ないとだね~』


「風の精霊なら確かに何とかできそうだね」


『あとは、色々な国が空を飛ぶ手段を探していますからね、いつかは行けるんじゃないでしょうか』


「行ってもドラゴンステーキ以外の魅力あるの?」


『あるで、空に行ってもたからこそ地上では咲かへん植物が一杯あるで』


「へぇ、人は……?」


『羽の無い方も多く居ますよ』


 歴史の授業じゃ、今も人が住んでいるという話もなく、さらっと次に進んでいたからそこまで把握してなかった。


 いつか行くことはあるんだろうか?


 倭国の南部に浮いているって言っていた記憶がある。


「そっか、まぁいつか行ければいいよね」


『せやなぁ』


 とりあえずお肉を数枚食べたところでお腹いっぱいになったせいか眠気に襲われた。


「ちょっと寝たいかも」


『いいんじゃないですか?』


『だな、魔素も尽きそうだしな』


 地の子ども達の方を見て見るとまだ解体作業をやっていた。


「解体が終わってるのから片付けちゃっていい?」


『いいよ~』


 皮や牙、鱗に各種臓器をカバンに入れてからまん丸が作ってくれた。建物の中に入った。


「ちょっと寝るから何かあったら教えて」

『わかりました。おやすみなさい、ラミナ』


「うん、おやすみ……」


 部屋の中央部に布団を敷いて横になった。


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