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第120話 決勝トーナメント ペア部門

 ソロ部門がファラの優勝で幕を閉じ、ペア戦が始まった。

 ファラ・ハンゾーペア、プリム・ミラペア、そしてミッシェル・ミアンペアそれぞれ一回戦を突破して、二回戦に駒を進めた。

 そして、ミッシェル・ミアンペアVSファラ・ハンゾーペアの戦いが始まろうとしていた。

「ここまでホープ見せてないね」

『そうですね、今まではミッシェルの槍に救われていますが、ここはホープの力を借りないと無理でしょうね』

 そのホープの姿自体、予選からずっと見てないような……。

「ホープってあまり姿見せてないけどどこにいるの?」

『ミアンの首の後ろにいつもいんで』

 首の後ろって……、まん丸の定位置だし何かあるのかな?

「首の後ろって何かあるの?」

『体内を魔素が巡る際に、魔素の流れが一番激しい所なんですよ。それ故にですかね、私達からするとシャワーを浴びている感覚に近いものがあるんです』

「ようするに気持ちいい場所ってこと?」

『えぇ、肩付近、足の付け根も勢いは弱いですが流れはあるんですよ』

 そういえば、ミント、アクア、グレンは比較的肩に停まっている事が多い気がしたけど、そういうことなのかな?

「そっか、ホープは実体を持っているから隠れる場所としては、ちょうど良いのかもね」

『そうですね、ちょうどミアンの髪で隠れますからね』

「あれ?私って体内で魔素巡ってるの?」

 意識したことがないからわからないのが本音だった。

『えぇ、ゆったりですが流れてますよ。じゃないとミアンのように魔素硬化症になりますからね』

『だな、ただですら魔素の量が多いからな』

「みんなが流れを促してるの?」

『そうだよ~主にボクが~』

『そうですね』

 首筋でよく寝てると思ったけど、そういう事だったのだろうか?

「そっか、ありがとう」

『いえいえ~』

 クゥに頼んだおかげで、すごく静かな世界で試合観戦しているけど、ミアン達の試合だけは普通に見たいななんて思ったとき、ホープと感覚共有すればミアンの近くで試合を見られる事に気づいた。

「ねぇねぇ、アクア」

『どうしました?』

「ホープの感覚共有してもらってもいい?」

『えぇ、構いませんよ。視覚と聴覚でいいですか?』

「うん」

『わかりました。それでは』

 アクアがそう言うと、次の瞬間。

「いいですわね!」

「うん!がんばろう!」

 視界は薄暗いがミッシェルとミアンの声が聞こえた。

「それでは第二回戦・第一試合を行います!決勝トーナメントで先輩ペアを相手に一勝をしています!今大会最大のダークホース!ミッシェル・ミアンペアの入場です!」

「「「わぁ~~~~!!!」」」

 遠くの方から審判の声が聞こえ、続いて観客の大きな歓声が響き渡った。

「いきましょう!」

「うん!」

 通路を抜け、闘技場中央に二人が姿を現すと、先ほどまでの歓声がひときわ大きく響き渡った。

 私の目にも二人が映ると、ミアンと目が合った。

「ラミィちゃんとラミナ!」

「どこですの?」

「ほらあそこ!」

 さっきまで気づいてなかったんだと思いながらミアン達に手を振った。

「やっと見つけられましたわね」

「そうだね~友達が見守っていると思うと心強いよね~」

「えぇ!」

 二人は、私と横にいるラミーに手を振りリング上に上がり、中央付近まで歩みを進めた。

「それでは対する、最強と言っても良いだろうペア!個人戦の優勝者、準優勝者!ファラ・ハンゾーペアの入場です!」

 ファラとハンゾーに至っては、リング上までの道が当たり、周囲に手を振りながらリング上に登っていた。

「それでは両者握手を!」

 審判がそう言うと、ファラとミッシェル、ハンゾーとミアンで握手を交わし、次いでファラとミアン、ハンゾーとミッシェルで握手を交わしていた。

「ハンゾー先輩!胸を借ります!」

「あぁ!おまえの技見せてみよ」

 ミッシェルがハンゾーに握手しながら言っていた。

「んじゃ私の相手はミアンか」

「役不足ですいません、お手柔らかに……」

 ファラとミアンの間ではそんなやりとりがされていた。

『罠だな……』

『っふっふっふ』

 グレンは何かに気づいた様子で、アクアの方は微笑んでいた。

「どういうこと?」

『見てれば分かる』

 そりゃそうだけど、何が起こるんだろうか?

「それでは両者位置へ!」

 そういうと、ミッシェル、ハンゾー、ファラは中央近くで構えを取ったが、ミアンだけはリングの端ギリギリまで移動してから構えた。

 魔法を使うと言うことを考えれば当然な気がするけど、ホープの力を使うにしてもそんなに離れる必要あるかな?

 そんなことを思った。

「それでは、はじめっ!」

 審判が合図をした。

 ハンゾーは、ミッシェルの初手を様子見するようで動かず。

 ミッシェルがミアンの元に向かおうとしているファラに対して攻撃を仕掛けた。

「どういうつもりだ?」

 ミッシェルの攻撃をいなしながら尋ねていると。

「ホープ!!!」

 ミアンの大きな声が響く!

 今までずっと髪の内側で隠れていたホープが姿を現し、ミアンの目の前に大きな氷の壁が出来、瞬時に審判とミッシェルを含む四人を取り囲む氷のドームができあがった。

「これって……」

『あぁ、ミッシェルは囮だ。ハンゾーにああ言ったのは自分に引きつけるためだろうな』

 次の瞬間、ミッシェルがリング外に飛ばされ、ドームの外に出ていたが、直ぐにハンゾーとファラもリング外に姿を現した。

「ホープもう良いよ、ありがとう」

 ミアンが右手を出しホープがミアンの手に停まると、氷のドームは消え、審判が姿を現した。

「なんと!誰が予想したか!最強ペアが瞬時に破れました!勝者!ミッシェル・ミアンペア!!!」

 審判が叫ぶと、今までで聞いたことのないくらい大きな歓声が響き渡った。

「ドーム内で何が起こっていたの……?」

 こればかりはホープ視点でも分からなかった。

『上下左右ありとあらゆる方向からのアイスランスの嵐と極寒ですよ』

「ファラ先輩もハンゾー先輩も避けたりすることが出来ずにやられたと……」

『えぇ、その通りです』

「ミアン敵に回したくないね……」

『余裕だろ』

『えぇ、そもそもそうなったときはホープに魔法が使う権限奪いますからね。状況によってはホープの存在を消すまでです』

 アクア怖!

 容赦ない!

 その後は、ミッシェル・ミアンペアが決勝に進み、姉妹対決もホープの力もあり、あっけなく終わってしまった。

 ペア部門優勝は新入生ペアということで大きな盛り上がりを見せて、ペア部門は終わり、パーティー部門に関しては、プリム・ミラ・ファラ・ハンゾーパーティーが一強状態でパーティー部門を締めくくった。



読んでくれてありがとうございます!


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