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第100話 初クラブ活動

 水の日、植物の日、風の日と授業受けたり、お昼はプリム、ミラ、ハンゾー達と過ごし、放課後はハンゾーから武道の手ほどきを受け、ミアンとミシェルと勉強会&夕食会をしたりして過ごし、風の日の午後、今日は初めてのクラフトクラブのクラブ活動となった。


 昼食を終えて早速クラフトクラブがやっているという錬金科の棟に向かった。


 錬金科の棟には、人気クラブがあるからか私と同じ新入生だけじゃ無く上級生が沢山いてどこに行けば良いのかが分からなかった。


「ん、迷子?」


 困っていると後ろから声をかけられた。


 声がした方を見ると、エルフの女性が居た。これで3回目だろうか?


 1回目は胃に穴が空いている患者を担ぎ込んできたとき、2回目は地下都市ダンジョンの救援依頼の時に大けがしていた女性だった。


「ん、君は」


「あっ、どうも……、クラフトクラブの部室に行きたくて」


「あぁ、それならこっちさ」


 女性生徒の後についていく。


「そういえば、お礼がまだだったね、この前はありがとう」


「いえ……」


「私はファラってんだ」


「あっ、ラミナです」


「ミラから聞いたよ」


「知り合いなんですか?」


 質問してから思った。あのときミラが叫ぶような声をあげ、ファラに駆け寄っていた事を。


「基礎学級時代は同じクラスだったからね」


「クラスってSだったんですか?」


「そうだよ」


「魔法が得意なんですか?」


「私は魔法で戦うよりも、こっちかな」


 ファラはそう言うと、拳を前に突き出した。


『拳聖か』


『エルフにしては珍しく近接戦闘のスキルですね』


『エルフ大体弓とか魔法だからな』


『ハンゾーともはれそうやな』


『実際はれるだろうよ、ハンゾーの柔術はこいつとやり合うためかもしれんな』


 精霊達がそう言うってことはかなりの腕前ってことだろう。どんなスキルなんだろうか?


「殴るんですか……?」


「そうさ、身体強化すれば大概の奴はどうにでもなるからな」


 その割には大怪我していたじゃん、なんて思ったが、口には出さなかった。


「そうなんですね」


 そう返すと、ファラはこっちを見ていた。


「その顔信じてない?」


「えっ?そんなこと無いですよ?」


「ほんとか?この前大怪我していたじゃんって思ったろ?」


 図星を突かれた。


『ラミナはわかりやすいからね~』


『表情とか声のトーンでバレバレだな……』


『演技とかは向かへんね』


『いいじゃないですか、それがラミナの良い所なんですから』


 精霊達から散々な言われようなんだけど、アクアフォローしてくれているの!?


「いや~?何か事情があったんじゃないかなぁと……」


「ふ~ん、まぁいいけど、そういえばハンゾー達とやり合ってどうだった?」


「ぇ?」


「入試でハンゾー達とやりあったんだろ?」


「あぁ~、入試は全部精霊さんに任せていたから……」


 嘘はついてない、実際ミントとアクアが動いてくれていたし。


 ハンゾーに武術を教わっているが、精霊達の力なしに勝てる相手だと思っていない。


「ふ~ん、今年の武道会は出るのか?」


「いや、その予定は無いですね……」


 つい先日学長に断りを入れたばかりだ。


「そっか、あんたとやり合えると思ったんだけどな」


 戦闘狂なのかな?


『彼女とやり合う場合、結構考えないとですね』


『だな、接近されたら負け確定するだろうよ、まん丸ミントと当たった場合相性が悪いな』


『せやなぁ、殴られて岩を削られそうやね』


『殴られる前にロックブロック~』


『そうなるだろうな、動きを阻害して捕まえるしか無いだろう』


 私としては入試の時みたいに極寒の状態にしてくれれば余裕なんじゃ?


 なんて思ったけど、アクアの出番はパーティー部門だけだった。


 今から対策考えているのかな?


「よっしここだ、錬金科の3-2の教室がクラフトクラブの教室だよ、忘れるなよ」


「あっはい」


 おしゃべりしていたら目的地に着いたようだった。


 クラフトクラブの教室に入ると、10名ほどの生徒が集まっていた。


「おっす」


 ファラがそう挨拶して中に入っていくので後に続いた。


「おじゃまします~」


 ファラと私に注目が集まった。教室内に居た上級生の1人に見覚えがあった。ファラと一緒に胃に穴が空いた患者を運んできた人だった。


「あれ?ファラ先輩留年したんでしたっけ?」


「しねぇよ!こいつが迷子になっていたから連れてきたんだよ」


「ん?あれ?その子って……」


「あぁ、あの晩の奴だ」


 たぶん胃に穴が空いた人を担ぎ込んだ日の事だろう。


「えっと、1年S組のラミナです」


「もうちょっと元気に自己紹介しろよ~」


 ファラはそう言うと私の頭に手を乗せわしゃわしゃと頭をなでた。


 ちょっと力強くないかな……、頭が左右前後にグワングワンと……。


「私は錬金科6年のミミです。部長なのですが今年はあまり居ないかもです……」


「そりゃ、倭国なんかに実習行けばそうなるだろうよ、ミミの代わりにあたしが顔を出すからな、よろしくなラミナ」


「就職決めたら気楽でいいですね~」


「そりゃな、3月までは帝都内に居るし、ほらおまえらも挨拶しろ」


 その後、他の先輩方と挨拶を交わした。大半の生徒が実習とかで今は居ないとか、今年は私ともう一人ホワイトタイガーの獣人ルルという新入生がいた。


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