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剣闘士マリウスシリーズ  作者: WsdHarumaki
6/15

ティベリウス家の娘

あらすじ

専属奴隷のアウローラは未熟でも闇闘技場でも勝利を得た。女主人のアレッサンドラの娘であるヘカテーはマリウスの事が気になる。

ティベリウス家の娘のヘカテーが近づく。「ねえ ローマの街を散歩しましょうよ」やたらと体に接触してくる。この年頃だともう経験をしたい年頃なのだろう。「まだ仕事があるので」と断る。毎回の事なので彼女も諦めが早い。「またね」と俺に声をかけるとぶらぶらと離れた。


夕方になると屋敷中が騒がしい。奴隷の一人が俺に近づく「ヘカテー様が行方不明です」俺は奴隷頭に会うと「付き添いの護衛が殺されていた」と報告を受けた。どうやら拉致されたらしい、ただ身代金を取るような真似はしないだろう。女として利用するだけに思える。船でローマから連れ出せば終わりだ。


「探せるか?」俺は黙ってうなずくと港を探す事にする。「アウローラも来てくれ」まだ成長期だが、それなりの筋肉がつきはじめていた。「槍と弓を使おう」軽く仕度をすると港に向かう。もし陸路なら空振りになる。


港に到着すると馴染みの乞食に金を渡す「急いでいる すぐ出航しそうな船はあるか」片足の足首が無い男は石畳に座って一日中ここで見るだけの仕事。でもそれだけで普段と違えばすぐ判る。片手を出すと俺はデナリウス銀貨を数枚出す、「情報は?」と聞く。「帆を張っているあの船に血がついた兵士が乗ったぞ」コインを渡して走り出す。船は小さく外洋用ではない、釣り船だろう。乗り組員は多くても十名と思う。


船に近づくと二人の護衛が剣を抜く。殺気で反応したのだろう。俺は貴族の奴隷なので後始末を気にしていない。後ろから連続して矢が放たれると、二人の喉笛に突き刺さる。アウローラがコンポジットボウで射殺す。


彼女から槍を受け取ると船の甲板に踏み込んだ、三人出てくると俺はすぐさま槍で二人を斬り殺す。呆然と立っている男に「女はどこだ?」と聞くと目を泳がせて甲板の下を見た。そのまま槍で喉を突く。


槍を置いて片手剣を抜くと慎重に内部に入る、内部は隔壁も無いため樽やら網駕籠が散乱していた。船の先頭にあたる場所で女が乱暴されていた。二人組が女を押さえつけて犯している。女は何名か居るが縛られている。


音を立てずに近づくと手を押させている男の顔面を切りつける、片目は潰せた。犯しているひげ面の男がこちらを向くと同時に片手剣で胸を突く。こいつらは戦闘は出来ても剣闘士のような動きは出来ない。顔面を切りつけた男は両刃剣を抜くが、両手首を切り落とす。「誰に指示された」そいつは叫ぶだけで言葉は判らない。こいつも胸にとどめを刺した。


「マリウス……」犯されている女は、顔が相当なぐられたのか血まみれで変形している。ヘカテーだった。体も血まみれで酷い。「立てますか?」痛そうに起き上がる。回りの女達も助けると甲板に行く、アウローラが大男に首をしめられていた。「剣を置け、そうしないとこの女……」俺は奴が話が終わらない内に、回転運動をしてステップを踏む。剣の軌道を見せないように右脇腹に剣を入れる。その部分は血を作る臓物がある。


大男は皮膚からどす黒い血があふれるとぐらりと傾く、内部の血の管が切れたのだろう。奴は腹の中を血まみれにして倒れた。アウローラに「油断したな」と近づく。首以外は傷は無さそうだ。彼女は声が出ないのか黙ってうなずいた。


屋敷に帰ると、状況を説明した。一緒に拉致されたローマの女は、みなが貴族の娘達だった。ティベリウス家の女主人のアレッサンドラを俺を見ながら。「報奨金がたんまり取れるわ」と笑う。そして顔を曇らせると「娘はかなり痛めつけられてる 顔が戻るかしら」と心配をした。俺から目をそらすと「しばらくは お前がヘカテーの相手をしてやって」と告げた。


続く

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