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4話:異形との対面

その日、久しぶりに出社した


「おはようございます」

「おはよう、いきなりで悪いんだけど、昼から予算会議があるから手伝ってくれないかな」

「休んでる間の仕事片付けながらでよければ」

「助かるよ」


突然仕事を押し付けられたが、いつものことなので気にしない

さすがに二週間も仕事がたまってるから、残業は避けられないかな


「あら、龍宮さんおはよう」

「おはようございます」


その後、休んでいた間のことを確認して仕事を始めた

どうやら、あの日から出社していない人が他にもいるようだ

意識を失ったタイミングが悪く怪我をした人達もいてなかなかに忙しくしていた


「お疲れさまでしたー」


仕事が思ったよりは焼く片付いたので、定時で帰れた


「龍宮さんすごかったですね」

「え、何がですか?」


同僚に突然声をかけられて驚いてしまった


「あれだけの仕事を定時で片付けちゃうなんて、すごすぎますよ」

「そうかな?」

「ホントに謙虚なんですね」


そんな他愛ない会話をして車に乗り込んだ

家まで車で15分、早く帰りたい

そんな事を考えながら走り出した


「···あれ?」


しばらく走っていると何故か景色が全く変わらない場所を走っていた


「ここ何処だ?」


そう思いながら走るが、一向に知っている場所に出ない

ナビも通じないし、スマホもアンテナが立っていなかった


「おかしい····」


そう思い車を止めて当りの様子を見回した

路肩に人が見えたので声をかけた


「あのー!すいません!」


全く反応してくれないので、仕方なく近づくと異様な匂いが漂ってきた

何お匂いだと思いながらその人に近づくと、突然その人の首が千切れて血雨が降り注いだ

そのままその人の体は倒れ、血溜まりから現れた人形の異形にバリバリと食べられる

目の前で起こっている事が理解できず、ただ見ていることしか出来なかった


「あ、あぁぁ」


声にならない声を上げ血と臓物の混じった匂いの中ひたすら逃げた、ただひたすらに

なのに車までたどり着けない

見えているのに一向に近づけない

その時、俺の横を何かが通り抜けた

それは人の首だった

振り向くとさっきの異形が舌を出してこちらを見ていた····

まさに鬼そのもの

筋骨粒々の体、牙の生えた口元。額に生えた一本の角

恐ろしかった


「ここで死ぬのか俺···」


恐怖が意識を飲み込んでいく

目の前の鬼に腕を捕まれ引きちぎられる、痛みと恐怖でただひたすらにあがいた

だが無駄だった

まるで歯が立たず

反対の腕も食い千切られた


しかしその瞬間、痛みで意識がクリアになった


「ヒール」


すべての傷が一瞬にして治る

欠損した両腕すらも一瞬でもとに戻った


「フレイムバースト」


一瞬で異形を吹き飛ばす


「タイムリバース」


服がもとに戻っていく

そして、もとに戻った瞬間

一気に恐怖が押し寄せてきて車に逃げ込んだ

体の震えが収まるのを待って警察に通報

そのまま保護してもらった

保護されたのは、普段通らない旧道の先にある山奥だった

その山の中には何人もの死体があり、全てが食い荒らされていたそうだ


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