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23話:狂気を育むもの①

翌日

出勤早々社長室に呼び出された

そこには社長夫人もいた


「龍宮さん、貴方は会社の恩恵を受けておきながら会社の指示に逆らうだけではなく、私のかわいい息子にまで手を出すというのは、どういうつもりかしら?それに········」


あー

この人は本当にうるさい

昔からこうだった


「黙って聞いてれば好き放題言ってますが、人の話を聞くつもりありますか?」

「そんなものありません!」


キッパリいい放った社長夫人にも息子と同じ魔法と呪印を刻む


「はあ····、で、社長は言うことあります?」

「申し訳ない·····」


深々と頭を下げた


「やっぱり、こうなりましたねー」

「本当に、申し訳ない」


俺のあきれ顔に社長は全く頭をあげようとしない


「以前、俺を裏切った時、必ず償うと言ってもらえたときは嬉しかったです。でも息子さんが入社してからの嫌がらせは全く対処頂けませんでした。それに、今回の奥さまの行動も正直迷惑でしかないです」

「分かっておるよ、だからもう一度だけチャンスをもらえないだろうか?」

「二度目ですよ?」

「頼む····」


しばらくの沈黙·····


「いいですよ」

「本当か!」

「その代わり、条件があります」

「条件?」

「在宅ワークにしてください、そいつらの顔を見たくないし、声も聞きたくないんで」


社長は最初は考え込んだが了承してくれた

社長夫人と息子は顔を真っ赤にして何かを訴えてきたが、喋れないので無視だ


「それから、これを社員全員に配って取り付けるようにしてください」

「これは?」

「俺とのバイパスを繋ぐための道具です、全員に思考加速と身体強化を違和感の無い程度までかけつつ、必要な情報を意識共有させます」

「君が会社を操ることになるんだね····」

「そうですね。まあ、今回の案件が終わるまでの間の話です。そのあとはこの腕輪は自動的に粉々になりますから」

「着けるかどうかの判断は任意で構わんか?」

「もちろん。ただし、息子さんと奥さんは強制でお願いします」

「そ、それは人権の問題が····」

「俺の人権無視してきたのに?」

「分かった····」

「助かります、これですべての案件が回せます。国の案件も回せるから安心してください」


そう言いつつ、腕輪を先輩と社長夫人に取り付けた


「本当かい?」

「はい、思考を完全に操るのはこの二人と先輩の取り巻きだけ。あとは皆の調子を違和感がでない程度で調整すれば、作業効率は3倍になります」

「ありがとう」

「例はいりません、面倒ごとを早く片付けたいだけなので」


その翌日からの会社はすごかった

腕輪の説明を聞いた人は次々と装着

作業効率が一気に上がる

先輩の取り巻きは最初は抵抗していたが、回りのスピードに着いていけず、しぶしぶ装着していた

先輩と社長夫人は仕返しの意味もあるので、意識はそのままで、行動の権限を全て奪ってやった

どんなに嫌でも、どんなに辛くても体が勝手に仕事を続け、全く休めない

腕輪に継続回復効果を付与しておいたので、体調は常に万全だが、心の疲労は蓄積する

そう、それが俺の仕返しだ

嫌がらせには嫌がらせで仕返した


「よし、あとはこのペースで進めれば納期に間に合うな」


案件もb目処がついた

経過を社長に報告仕返し電話を切る


「スッキリしたーー」


俺はそのまま別途に倒れ込む


「でも、魔法が使えるようになってなかったら、こんな仕返し出来なかっただろうな。日常とか平凡とか求めてる割には力使いすぎだよな」


天井を眺めてそんなことを考える


「これで、厄介な仕事は片付いたな。明日は現場でも見に行こうかな」


翌日

現場へ到着した

その瞬間気が付いた


「ここ、何か変だ」


急いでライトを召還した


「あれ、ぱぱどうしたの?って、ここなんかへん」

「ライトも感じるか?」

「うん」

「気配隠蔽を使って周辺の警戒を頼む」

「分かったー」


ライトが走り去る


「何だ、この胸騒ぎ·····」


そのまま、各担当現場に設置されている仮事務所に向かう

その間、現場の見取り図を準備するように腕輪を通して指示を出した


「急にすまない」

「いえ、どうかされたんですか?」

「ああ、ちょっとね」


見取り図を見るが不審な点はない


「なあ、この現場で変わったこと無かった?」


事務所にいる人々に訪ねるが、誰も知らないようだった


「分かりませんけど、そんな話は聞きませんよ?」

「そっか、気のせいならいいんだけど」


そう言って、工事の進行を確認する


「先輩はしっかり働いてますね」

「はい、嫌そうな顔してますが体が勝手に動くので渋々やってもらってます」

「ならよかった」


その時


「ぱぱ、この前のへんなヤツが地下に沸いてる」

「やっぱりか」


すかさずライトの視覚を共有すると

ヤツが

『Unknown』が見えた

しかも、その中から社長夫人が現れた


「なんだと!」

「どうされたんですか?」


視界を共有していない人達は、いきなり声をあげた俺の声に驚いた


「ごめん、ここ任せる」

「え、あ、はい!」


俺は急いでライトの元に走り出した

その道中、腕輪を通して秘書さんに連絡を入れる


「秘書さん、聞こえますか?」

「聞こえますが、この腕輪にこのような機能があるとは聞いておりませんが?」

「はい、バイパスをたどって今付与しました」

「今!······、まあ、龍宮様ですし今さらですね」

「色々反論したいですが後にします。例のUnknownが現れました。座標は送りますので、回収班の手配お願いします。魔力のバイパス全開で繋いどくんで、秘書さんが一緒なら転移し放題です。後よろしく。通信終わり」

「あ、ちょ」


途中で通信を切ってストレージから水鏡とフルフェイスのヘルメットを出して被った

ここにはたくさんの人がいる

一応、正体がばれると面倒なので隠している

服も試作の防具に一瞬で換装した


「ライトも換装だ」

「うん」


ライトもばれると面倒なので専用の防具····

いや、アーマーかな?

とにかくそれを作った

まあ、試作品だけど

俺もライトもアーマーの中に入っている

イメージはア⚪アンマン

ただし、アーマーの中は別の空間になっているので、中にはいる為にピッチピチのスーツを着たり、特別な手術は必要はない

しかも、感覚共有で痛覚以外の感覚をアーマーと肉体で共有しているので、自分の体を動かしているのとほとんど変わらない


「テストもまだだけどやるぞ!」

「はーい」


そのタイミングで俺とライトが合流してUnknownの群れに飛び込んだ

中心でたたずむ社長夫人を睨みながら····


「私の坊やはこんなトコロデ働く必要なんてナイ、上にタッテ指示を出せばいい、それだけでウマクいくから」


社長夫人の声に異音が混じっていた

気持ちが悪い音だった


「ぱぱ、あれってホントに人なの?」

「わからん」


回りのUnknownを倒してもなかなか数が減らない

まるで、社長夫人が産み出しているようだ


「このままじゃジリ貧だな、超捕縛式結界展開、そのまま、フィールド展開」


動きを止めてから世界の座標を少しずらし、空間ごと隔離した


「後はやるだけだ、ライト全力全開だ!」

「オッケーぱぱ、いっきまーす」

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