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絶望の愚者  作者: 矢島 零士
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王女とダンジョンへ

 ゲッシュとサラは、王宮の秘密の出口から小舟で外に出た。

 この辺り、サラは異世界の『暴れん坊将軍』というフィクション作品を参考にしている。


 サラは男装しており、スージンという偽名を使っている。

 ゲッシュは、髪型をモヒカンにするなど、変装している。王宮に戻ったらカツラを付ける予定だ。



 ダンジョンに行く前に、ゲッシュとサラは冒険者ギルドに寄った。

 サラはスージンの名前でギルドに登録してあり、これまでの活動の結果、Cランク冒険者になっている。偽装後の称号は『魔法使い』。


 ゲッシュがサラ王女に雇われていることはギルド職員や多くの冒険者たちに知られており、ゲッシュがスージンと一緒にダンジョンに入ると、スージンの正体がサラであることがばれる可能性大。

 そこで、今回、ゲッシュは別の名前で新規登録した。

 ゲッシュの偽名はケイン・ボルツ。サラが考えた名前だ。


 王宮を出る前にサラがゲッシュのステータスを偽装しており、ギルド受付では称号『剣士』でスキル『片手剣』のケイン・ボルツとしてステータス表示される。



 ケイン・ボルツとしてFランクの冒険者になった後、スージンとパーティーを組んだ。

 これで、Cランクまでの依頼を受注できる。

 今回、サラはEランクのゴブリン退治を選んだ。



「ケイン、行くよ」


「了解」



 ゲッシュとサラは馬で王都郊外のナゲ山麓ダンジョンに向かった。

 ダンジョン入り口近くのギルド出張所に馬を預け、ダンジョンに入る。



 ナゲ山麓ダンジョンは、地下一階から地下三階までの三層から成る小規模ダンジョンで、初心者向けとされている。最下層のボスキャラはゴブリンロード。

 一般的に、CランクとFランクの二人組ではゴブリンロードを倒すのは難しい。


 ゲッシュとサラは横並びで進んでいく。

 事前の打ち合わせでは、ゲッシュが敵を引き付け、サラが魔法で倒す方針だ。

 ただし、状況によってはゲッシュのスキルも使うことになる。



 地下一階にはボスキャラはいない。


 地下一階から地下二階への階段まで到達した。

 この時点で、五体のゴブリンを倒している。受注した依頼書の討伐対象数は十体。まずまず順調だ。



「ケイン、行くよ」


 ダンジョン内では偽名で通すことにしている。


「了解」


 ゲッシュとサラは地下二階に降りる。



 地下二階ではゴブリンプリンスがボスキャラだった。

 ボスキャラを倒した時点で、ダンジョン入り口への転移魔方陣と地下三階への階段が出現した。

 ちなみに、誰かが地下三階への階段を降りると、地下二階に出現した転移魔方陣は消えてしまう。


 この時点で、十五体のゴブリンと一体のゴブリンプリンスを倒している。

 地下三階では上位個体のゴブリンシャーマンも出現するとされている。ゴブリンシャーマンは不死の魔物を召喚するので、CランクとFランクの二人組には強敵だ。


 ここまで、ゲッシュはスキル『絶望』を使わずに済んでいる。サラの魔法は強力な武器だ。



「ケイン、戻ろう」


「了解」


 ゲッシュとサラが転移魔方陣を利用しようとしたとき、地下三階から悲鳴が聞こえた。

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