編成 平幸二十四年一月
フソウ連合暦 平幸二十四年一月三日。
フソウ連合海軍では新年度の始まりと同時に、組織改変と人事、部隊艦隊編成が実施された。
大きな理由としては、イタオウ地区の管理が増えたことと、前回の戦いにより一部の範囲での警戒や防御の弱さが指摘された為だ。
まず組織改変だが、組織を大きく四つ分けられる事となった。
まず一つは、フソウ連合海軍の本部であり、他の三方面部を統括するマシナガ本島にある海軍本部。
そして、各地域に展開する方面部として次の三つである。
南部方面艦隊と南部基地を管理する南部方面部。
北部方面艦隊と北部基地を管理する北部方面部。
イタオウ地区と首都方面の防衛を管理する東部方面部。
そしてそれにあわせて、各方面部の責任者である方面部指令が任命された。
南部方面部司令は引き続き南雲石雄中佐(少佐より昇進)が継続し、北部方面部司令は的場大佐の推薦により野辺時雄少佐(大尉より昇進)、東部方面部司令は的場良治大佐(少佐より二階級特進)となっている。
そして、東部方面部にはイタオウ地区の管理も含まれる為、特別に東部方面部の下にイタオウ地区の政治と産業機関の管理の為にイタオウ地区管理部が増設された。
管理部には広報部の杵島マリ中佐(少佐より昇進)と後方支援本部鏡敏則中佐(少佐より昇進)の二人が、それぞれイタオウ地区の産業発展のための映画産業の起業と工業発展が軌道に乗るまで派遣されることとなる。
また、陸戦部隊の責任者として杵島乃一少佐(大尉より昇進)が駐在し、新たに創設される第二旅団と第一空挺団の編成と指揮を命じられた。
これは何かあったときの陸上戦力の構築の必要性からである。
実際、マシナガ本島ではこれ以上の陸上戦力の増強は難しい為、土地に余裕があり、人口が多いイタオウ地区で創設したほうがいいと判断されたためだ。
こうして組織的に変更された事にあわせて、元々階級が低く抑えられていた事もあって多くの者が昇進した。
その中でも二階級特進し、一躍国内外関係なく知名度が上がったのは的場良治大佐である。
限られた戦力で帝国艦隊を翻弄した上に壊滅させたその作戦能力の高さと手腕は、王国、合衆国でも高く評価されることとなった。
もっとも、本人は有名になるのは迷惑そうではあったが…。
なお、ほんの一部であるが昇進を記す。(話に大きく関わってくる人物のみ)
参謀本部 新見正人中将(准将より昇進)
後方支援本部 鏡敏則中佐(少佐より昇進)
諜報部 川見悟大佐 (中佐より昇進)
広報部 杵島マリ中佐(少佐より昇進)
作戦統括部 山本平八大将(中将より昇進)
南雲石雄中佐(少佐より昇進)
的場良治大佐(少佐より二階級特進)
野辺時雄少佐(大尉より昇進)
石崎尊少佐(大尉より昇進)
間宮永樹少佐(大尉より昇進)
上野芳樹少佐(大尉より昇進)
陸戦部隊 杵島乃一少佐(大尉より昇進)
次に部隊艦隊編成だが、北部方面、南部方面の二つの方面艦隊と中央の連合艦隊という三つに分けられていた編成だが、イタオウ地区がマシナガ地区に管理された事にあわせて再度検討された。
その結果、二つの方面艦隊と中央に連合艦隊というのは変わらないものの、それとは別に二つの艦隊が新設され艦隊編成は大きく五つに分けられる事となったのである。
新設された二つの艦隊のうち一つは、イタオウ地区に配属され、首都方面の防衛を行う東部方面艦隊で、これにより方面艦隊は三つとなる。
なお、西部方面は地理的こともあり、連合艦隊が受け持つ事となった。
そして、新設されたもう一つの艦隊は、フソウ連合領海外で主に活動する外洋艦隊だ。
これは、王国、合衆国から航路安全の為の艦艇派遣依頼があり、それに対応する艦隊となる。
最初は数隻程度ならば別に艦隊をわざわざ編成する必要はないと思われたが、海賊などの航路安全を脅かす要因が大きくなった事と、数隻単位では王国、合衆国の指揮下での運用となる恐れが高く、そうなると艦艇の機密保持が出来ないと懸念された為だ。
それに、外洋艦隊に編成される艦艇は海外の艦が中心となり、引き合いがあれば、同型艦(もちろん電探や対潜水などの部分は外された輸出バージョンとなる)の販売も視野に入れられている。
なお、実際に実物を見てみるだけでなく動かしてみることで評価される部分は大きいらしく、合衆国に譲渡されたジョン・C・バトラー級護衛駆逐艦は、運用される事でますます評価を上げた結果、今の時点で六隻の発注を受ける事となった。
なお、一番、二番艦は間に合わないものの、三番艦以降の四隻はイタオウ地区に新たに増築される海軍出資のイタミ造船所で造られる予定となっている。
また、部隊編成も変更が行われた。
その中でももっとも大きな部分は、ついに航空母艦を中核とした航空戦隊の編成だろう。
これにより、連合艦隊で、機動部隊が編成され、飛行機が本格的に戦力化されることとなる。
こうして、フソウ連合海軍はより強力な組織へと改革されていったのである。
●フソウ連合海軍 部隊編成表 平幸二十四年一月三日現在。修理中の艦艇を含む
第一戦隊 巡洋戦艦 金剛 比叡
第二戦隊 巡洋戦艦 榛名 霧島
第五戦隊 戦艦 大和
第六戦隊 戦艦 大和改
第八戦隊 重巡洋艦 古鷹 加古
第九戦隊 重巡洋艦 青葉 衣笠
第十戦隊 重巡洋艦 妙高 羽黒
第十一戦隊 重巡洋艦 高雄
第十二戦隊 重巡洋艦 摩耶 鳥海
第十三戦隊 航空巡洋艦 最上
第十四戦隊 重巡洋艦 三隅 鈴谷
第一航空戦隊 航空母艦 翔鶴 瑞鶴
第五航空戦隊 護衛空母 大鷹 雲鷹
第一水雷隊 軽巡洋艦 天龍 龍田
第二水雷隊 軽巡洋艦 北上 太井
第三水雷隊 軽巡洋艦 播磨 木曽
第四水雷隊 軽巡洋艦 川内 那珂
第五水雷隊 軽巡洋艦 夕張
第一駆逐隊 駆逐艦 白露 時雨 村雨
第二駆逐隊 駆逐艦 夕立 春雨 五月雨
第三駆逐隊 駆逐艦 海風 涼風
第四駆逐隊 駆逐艦 初春 子日 初霜
第五駆逐隊 駆逐艦 朝潮 荒潮 朝雲
第六駆逐隊 駆逐艦 峯雲 霞
第七駆逐隊 駆逐艦 吹雪
第八駆逐隊 駆逐艦 叢雲 東雲 薄雲
第九駆逐隊 駆逐艦 白雲 磯波 浦波
第十駆逐隊 駆逐艦 綾波 敷波 天霧
第十一駆逐隊 駆逐艦 狭霧 朧 曙
第十二駆逐隊 駆逐艦 漣 潮 暁
第十三駆逐隊 駆逐艦 響 雷 電
第十四駆逐隊 駆逐艦 陽炎 不知火 萩風
第十五駆逐隊 駆逐艦 雪風 天津風 浦風
第十六駆逐隊 駆逐艦 磯風 浜風 野分
第十七駆逐隊 駆逐艦 嵐 舞風 秋雲
第十八駆逐隊 駆逐艦 夕雲 風雲
第十九駆逐隊 駆逐艦 早波 秋霜
第二十駆逐隊 駆逐艦 島風
第一護衛隊 駆逐艦 睦月 如月
第二護衛隊 駆逐艦 長月 菊月 三日月
第三護衛隊 駆逐艦 野風
第四護衛隊 駆逐艦 松 桜
第五護衛隊 駆逐艦 樅 榧
第七護衛隊 駆逐艦 若竹 呉竹
第一防空駆逐隊 駆逐艦 秋月 照月 涼月
第二防空駆逐隊 駆逐艦 初月
第三防空駆逐隊 駆逐艦 霜月 冬月 春月
第四防空駆逐隊 駆逐艦 宵月 夏月 花月
第一警戒隊 水上機母艦 千歳
第二警戒隊 水上機母艦 千代田
第三警戒隊 水上機母艦 瑞穂
第四警戒隊 水上機母艦 秋津洲
第五警戒隊 水上機母艦 千早
第六警戒隊 特設水上機母艦 神川丸
第七警戒隊 特設水上機母艦 聖川丸
第八警戒隊 特設水上機母艦 君川丸
第一海防隊 海防艦 占守 国後
第二海防隊 海防艦 八丈 石垣
第三海防隊 海防艦 御蔵 三宅
第四海防隊 海防艦 淡路 能美
第七海防隊 海防艦 丙型1番艦 丁型2番艦
第八海防隊 海防艦 丙型3番艦 丁型4番艦
第九海防隊 海防艦 丙型5番艦 丁型6番艦
第十海防隊 海防艦 丙型7番艦 丁型8番艦
第十二海防隊 海防艦 鵜来 沖縄
第十三海防隊 海防艦 奄美 粟国
第十五海防隊 水雷艇 鴻 鵯
第十六海防隊 水雷艇 隼 鵲
第一警備隊 砲艦 勢田 比良
第二警備隊 砲艦 保津 堅田
第三警備隊 砲艦 橋立 宇治
第五警備隊 掃海艇 19号型 19 19号型 20
第六警備隊 掃海艇 19号型 21 19号型 22
第七警備隊 掃海艇 19号型 23 19号型 24
第八警備隊 掃海艇 19号型 25
第十一警備隊 駆潜艇 13号型 13 13号型 14
第十二警備隊 駆潜艇 13号型 15 13号型 16
第十三警備隊 駆潜艇 13号型 17 13号型 18
第十四警備隊 駆潜艇 13号型 19 13号型 20
第十五警備隊 駆潜艇 13号型 21 13号型 22
第十六警備隊 駆潜艇 13号型 23 13号型 24
第十七警備隊 駆潜艇 13号型 25
第一支援隊 工作艦 明石
第二支援隊 工作艦 三原
第三支援隊 工作艦 桃取
第四支援隊 給糧艦 間宮
第五支援隊 給糧艦 伊良湖
第六支援隊 給糧艦 久須見
第七支援隊 病院船 氷川丸
第八支援隊 潜水母艦 大鯨
第九支援隊 潜水母艦 迅鯨
第十支援隊 特設潜水母艦 日枝丸
第十一支援隊 特設潜水母艦 平安丸
第十二支援隊 施設艦 津軽
第十三支援隊 施設艦 沖島
第十四支援隊 施設艦 平島 澎湖
第十五支援隊 施設艦 石崎 鷹島
第十六支援隊 施設艦 済州 新井崎
第十七支援隊 施設艦 由利島
第一補給隊 給油艦 速吸
第二補給隊 給油艦 足摺
第三補給隊 給油艦 塩屋
第四補給隊 給油艦 能登呂
第五補給隊 特設給油艦 日本丸 東邦丸
第六補給隊 特設給油艦 極東丸 東亜丸
第七補給隊 特設給油艦 國洋丸 厳島丸
第八補給隊 特設給油艦 東榮丸 建川丸
第一輸送隊 輸送艦 佐渡丸 崎戸丸
第二輸送隊 輸送艦 笹子丸 佐倉丸
第三輸送隊 輸送艦 あきつ丸
第五輸送隊 輸送艦 一等輸送艦101 一等輸送艦102
第六輸送隊 輸送艦 一等輸送艦103 一等輸送艦104
第七輸送隊 輸送艦 一等輸送艦105 一等輸送艦106
第十輸送隊 輸送艦 二等輸送艦201 二等輸送艦202
第十一輸送隊 輸送艦 二等輸送艦203 二等輸送艦204
第十二輸送隊 輸送艦 二等輸送艦205 二等輸送艦206
第一潜水隊 潜水艦 伊-9
第二潜水隊 潜水艦 呂-35
第四潜水隊 潜水艦 伊-56 伊-58
第五潜水隊 潜水艦 伊-68 伊-71
第六潜水隊 潜水艦 伊-15 伊-17
第七潜水隊 潜水艦 伊-19 伊-21
第九潜水隊 潜水艦 伊-16 伊-18
第一特殊潜水隊 特殊潜水艦 伊-400
第二特殊潜水隊 特殊潜水艦 伊-401
第五特殊潜水隊 特殊潜水艦 伊-361 伊-370
第一特務隊 練習巡洋艦 香取
第二特務隊 練習巡洋艦 鹿島
第三特務隊 客船 あるぜんちな丸
第四特務隊 客船 ぶらじる丸
第五特務隊 客船 八幡丸




