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適当主人公の冒険  作者: みかん!りんご!
9/25

☆9 ポイズン。人助け



「結界包囲」


 ポイズンドラゴンの近くに降りたち、アマリアとアシュリンに手を離してもらった。


 結界を使い、ポイズンドラゴンを囲む。


 そして、結界の中にいる、ポイズンドラゴンの魔石部分に2つ目の結界を張る。


「剥ぎ取り」


 グデンッと前かがみになり倒れるポイズンドラゴン。

 巨大なドラゴン。鋭利な爪や牙を持っている。

 トカゲに似ているが大きさと翼があることが違いを強調している。

 ファイアージャイアントベアーよりも、2まわり、いや、3まわりほど大きい。

 



「ちょっ、雪斗やばいって」


「雪斗さん。馬車がドラゴンに潰されてしまいます」


「げっ、やばっ、包囲」




 おー。危ない。危ない。

 間一髪のところで、馬車を結界で守ることに成功した。


 ふぅー。危なかったな。





「ありがとう。助かったよ」


 生き残っている騎士3名が俺らのほうに近寄ってきた。


 発動中のアイサイトで分かるが3名とも毒に侵されている。

 このまま、時間が経てば、毒が周り亡き者になるのも時間の問題だろう。



「いえ、それよりも、解毒薬持っていますか?」


 騎士の方に聞きながら、アマリア達の方も見た。


 首を振るアマリア達。



「全部使い切った」


 騎士の者たちは、そういうと、立っているのも辛いのだろう。

 地面に座り込んだ。




「みんな、ごめんなさい」


「ごめんなちゃい」


 執事の方に連れられて、きらびやかな馬車から女の子2人が降りてきた。

 地面に倒れて亡くなっている騎士たちに泣きながら謝っている女の子2人。


 へぇー。公爵家の娘さんなのに、騎士たちのために涙を流すのか。


 貴族って、もっと、こう高飛車で悪人かと想像していた。



「解毒薬を持ってはいませんか?」


 黒服を着こなしている年老いている男性執事が俺に近寄って聞いてきた。

 俺とアマリア、アシュリンは首を横に振る。


「そうですか」


 残念そうにいう男性執事。



 解毒薬っと。

 アイサイトを使い周囲を見渡し確認するが、解毒薬になりそうな草はこの付近には生えていないようだ。


 解毒しそうな、神秘的な泉もないようだ。

 麻痺まひを治す神秘的な泉はあるようだが……


 


 ここにいる者たちで、解毒魔法を使える者はいないことは、アイサイトで読み取っている。

 回復ポーションを使い、なんとか命を長引かせるのが得策だろうな。



「あのー。雪斗さん。結界魔法で、毒だけ取り除くことはできないのですか?」


「うーん……」

 

 まさか、そんな器用なことできたりしないよね?

 ご都合主義判定になっちゃうよ笑笑


 とりあえず、試してみるか。

 バッグに入れていた、りんごんを取り出し、りんごんを結界で囲み、水分だけ取り除こうとする。

 結界の中にりんごんとは別に水分がタプンタプンと目に見える。



「おー。成功した」


「これならいけるんじゃない?」


 隣で見ていたアマリアが聞いてくる。

 多分、大丈夫だろう。やってみるか。


「すみません。治せるかもしれません。試してみてもいいですか?」


 騎士の人に尋ねた。


「あー。構わない。どうせ、このままだと毒が身体中をまわって死ぬことになるだろうからな」


 騎士の許可を得て、結界で身体を包む。



「では、始めますね」


 その言葉を告げて開始した。

 白色透明の結界内に、紫色の毒々しい液体がたまっていく。

 順調に進んでいるようだ。



「おー。身体のけだるさが消えていくぞ」

「ありがとう」

「俺たち、助かるんだな」


 生き残っていた3名の騎士たちは、歓喜のあまり、男3人で抱き合っていた。




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