☆7 魔法は才能!?
「それで、どうやって、討伐したの?拳力強化でのパンチ。それとも、脚力強化のキック?」
アイスコーヒーをおいしそうに飲みながらアマリアが質問してきた。
「気になります」
アシュリンも気になるみたいだ。
というよりも、魔導士ギルド内の人たちは皆聞き耳を立てているように感じる笑
別に、隠すこともないから教えようかな?
「結界魔法かな」
多分、結界魔法は珍しい。
昨日と今日、アイサイトを使い街中を歩いて分かったが、1人も所持者は居なかった。
「結界魔法って……。雪斗、やっぱりあんた貴族なんじゃないの?ですか?」
アマリアの口調が変わった。少し面白い。
「なんで、結界魔法を使えると、貴族ってことになるんだ?」
「結界魔法は使える者がとても少ないんです。そのため、結界魔法を使える者は、ほとんどが、国のお抱えになっています。魔法は、基本的に生まれ持った才能と言われています。その才能が無い者は魔法が使えません。才能は両親から濃ゆく受け継ぐと言われています。たまに先祖返りして、両親の使えない魔法を扱える者もいるようですが」
アイスミルクティーのカップを両手で持ち可愛らしく飲んでいたアシュリンが可愛らしくテーブルにカップを置いて俺の質問に答えた。
「そんなこと、魔導士ギルドに所属している者なら常識の範疇よ」
「なるほど。知らなかったよ」
この異世界の常識を言われても、分からないよ。
この異世界に来て、2日目だし。
防衛のために結界魔法使いは重宝されるんだろう。
これ、便利だし。
「それで、もし、良かったらなんだけど、結界見せてもらってもいい?」
「お姉ちゃん。ファイアージャイアントベアーを討伐するのに、雪斗さん、魔力を大量に使っているはず。迷惑なんじゃ……」
「そうね。短時間で、森から戻ってきたことも考えて、脚力強化魔法も使ってるだろうし」
「あぁ、その辺は、大丈夫だと思うかな。見せてあげるよ」
俺は、何気なく、『包囲』『包囲』と唱え、テーブルの上に四角い結界と丸い結界を作った。
四角い結界は強固。丸い結界は弾力性のあるゴムボールみたいな感じだ。
「えっ。雪斗さん??」
「雪斗。あんた、ほんと、すごいわ」
「ん?俺、なんか、変なことした?」
驚かせるようなことしたつもりないぞ?
「それ、本当に言っているなら、雪斗。常識知らずも甚だしいよ」
軽く怒られた気持ちになる。
アマリアは、呆れているのかもな。
「雪斗さん。詠唱が短いです。短いというか技名だけしか言ってませんよね?それに、同時に結界を2つも出すことは上級者の証だと聞いています。そして、おかしいのは、この結界が丸い事です」
そう言って、アシュリンが結界を触る。
「やっやわらかい」
「アシュ、そんなことありえないわ……って、ほんとだ。柔らかい」
俺の出した丸い結界を揉み揉みするアマリア
「こういうこともできるよ?」
くまさんを背負う際に落ちないように結界でロープを作り、俺とくまさんを縛った。
色は、もちろんロープに似ているように薄茶色にしてある。
結界に色を付けることもできたんだ。
意識せずに使う、普通の結界は白色透明。
「アマリア。ちょっと片手借りるね」
指先から原料、結界の薄茶色のロープを出し、器用に指先だけ動かしてアマリアの手をくるくると巻き付ける。
「ちょちょちょっと。はぁー、雪斗、なんか、すごすぎて、私疲れたわ」
「雪斗さん。すごすぎです。私も混乱してきました」
左右を見渡し、周りにいた、魔法使いさん達を見たが、皆驚いた顔で見ている。
魔法士ギルドのギルド員さんたちも、目を見開いて唖然としていた。
なんか、嫌じゃないな、この感覚笑笑