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明日も葵の風が吹く  作者: 有坂総一郎
新天地相良で一旗揚げよう
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法螺吹きの領内検分<海路にて相良へ>

明和4年8月、遠江相良


田沼邸での密談から1ヶ月弱。現代における静岡県牧之原市、つまり相良藩領の産業を元にした「相良産業革命5ヶ年計画」を私は提唱した。そして、今、意知様、源ちゃん、各務久左衛門殿と共に品川から海路にて相良入りを果たしたばかりだ。


本来ならば、田沼家世子である意知様がこんなところに居てよいわけがない・・・なにせ幕府の人質なわけだからね・・・のだが、意次様は上様御用の側用人、江戸城に詰めていないといけない。では、江戸詰家老の倉見金太夫殿が出向くのか?残念ながら、彼も江戸詰家老としてやることはいくらでもある、そもそも倉見殿が田沼家の外交官なのだから居なくなったら他家との折衝役が居なくなる。同じく深谷市郎右衛門殿も意次様の右腕左腕・・・居なくては非常に困る・・・。


各務殿は田沼家では算術に秀でている江戸詰家老であるが、5ヶ年計画では必須の人材であることから無理やり引き抜いた。


で、肝心の意知様だが、江戸定府の意次様に代わって領内検分とするという建前で上様家治公に特別に許可を頂いて同行していただいた。とは言え、非公式であるため海路で移動することとした。当然、大名行列なんて仕立ててない。んなもん仕立てたら相良2万石の収入なんてあっという間に消滅する。意知様の今回の仕事は、私と源ちゃんの後ろ盾であり、藩主及び世子の直裁であるという証文といったところだ。


そうそう、私は今回、意知様の側用人という役を頂いている。いきなりの大出世である。というか、そういうことにしないと城代家老、国家老相手に話を聞いてもらえない。そもそも、田沼親子にすら山師扱いなのに、世にも名高い山師の源ちゃんと一緒じゃ尚の事信用してもらえない。


というわけで、相良の港から相良陣屋・・・まだ相良城は築城すら始まってない・・・へ向かい、城代家老の三好四郎兵衛殿、国家老の井上伊織殿に会い、話をしなくてはならない。


国家老の井上殿は兎も角、城代家老の三好殿は地元相良の廻船問屋の出身であるというから期待が持てる。話を通すならば、三好殿が適当なはずだ。

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