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明日も葵の風が吹く  作者: 有坂総一郎
松江藩での日々

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I shall return.

明和5年5月20日 出雲松江 松江城


高松に行った源ちゃんが戻ってきた。どうやら首尾は不調であったらしい。だが、高松から江戸へ書状を送って製糖法の伝授を依頼したらしい。さすが源ちゃん、抜け目がない。


さて、佐陀川開削事業も源ちゃんが高松に行っている間に基本計画策定が出来た。後は、松江藩が指揮を執って人夫動員してくれれば計画工期でほぼ完工できることだろう。流石に2年も松江に逗まって指揮を執る訳にはいかない。こっちも、暇じゃないからね。


佐陀川開削事業の工事費用は月賦で松江藩に送金することで手を打つことになったが、その指揮は史実通り、清原太兵衛にやってもらう。彼は常々上申していただけあって乗り気でもあったし、何より、現地で地理にも詳しいし、天候などでこちらが把握できていないことでも対処してくれるだろう。


松江の和菓子発展に関しては放っておいてもそのうち勝手に発展するだろう。なにせ、佐陀川の水運と新田開発が20年早く実現できるわけだから、それによる経済的利益を考えれば、松江藩の財政好転も20年近く早く実現できる。とは言えども、少しは関与したいと思うのが人情だろう。高松藩で製糖が軌道に乗ったらそのときに改めてだな・・・。少なくとも3年・・・。やはり、佐陀川の完工と同時期になるか。


松江での仕事はこんなものだろう。2ヶ月くらい滞在していたのがそもそも予定外だ。思いつきで歴史を変えるもんじゃないな。だが、コレくらいは許される範囲だろう。20年程度の前倒し程度なんだから。


さて、この2ヶ月で三井が何をやらかしているか、そこが気になる。なにせ、うちには御庭番も歩き巫女も居ないんだからね。頼れるのは江戸の意次公だが・・・、あのオッサン、また要らんこと思いついていないだろうな?往年の迷作「花のお江戸のルネッサ~ンス」では、上様が要らんこと思いついて、御金蔵からポンポン小判を持っていったけども・・・、この世界では小判が消える代わりに、こっちの神経がすり減りそうだ。


一度、相良に戻って仕切り直そうか・・・。そう言えば、源ちゃんから津山藩周旋の報告聞いてなかったような気がする・・・。


「おーい、源ちゃーん。」

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