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明日も葵の風が吹く  作者: 有坂総一郎
陰謀渦巻く西国道中

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Another View 毛利重就

明和5年3月25日 萩城


馬関海峡を異形の船が通過したという知らせが24日に届いた。この萩城の詰丸でも同様の異形の船を目視したのが23日である。どうやら、この異形の船は瀬戸内から馬関海峡を西進し、長門国沖を北上し、浜田藩方向へ去っていったものであるらしい。恐らく、須佐などからも同様の報告が今日明日には届くのであろう。


長崎遊学をしたことがある者に件の船の絵図を見せたところ、異形の船は長崎に出入りするオランダ船ともまた異なる船であるが、似ているそうだ。それも、報告によると帆を畳んだ状態で動いていたというではないか。斯様な船は聞いたことが無い。関船や安宅船などのような櫂で漕ぐわけでもないらしい。さらに驚くべきことに件の船は千石船などに比べても優速で追いつけそうにないというではないか。


斯様な船を持つ国はどこの国であろうか?西洋の船に似ているのであるから彼の国々が造ったと考えるべきだろう。


斯様な船に大筒を積まれたらこの萩城は打つ手もなく一方的にやられてしまう。萩城だけでなく、領内のどこであろうと、好きなときに現れて、砲撃でき、こちらが反撃しようとすれば、あっという間に逃げおおせる。


この萩や長府、徳山などの長州藩の拠点では防備そのものが成り立たぬ。それどころか、指揮すら叶わぬではないだろうか?領内の中央に位置する山口へ移転させるべきではないだろうか?


いや、藩庁の移転など幕府がそうそう認めるわけがない。如何にして移転を進めるべきであろうか?資金はこの数年で好転した財政で賄えるであろうが、幕府を刺激せずに山口移転させる方策を考えねば・・・。

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