表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
明日も葵の風が吹く  作者: 有坂総一郎
それぞれの思惑

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/266

Another View 田沼意次

明和5年2月5日 江戸城神田橋門内 田沼意次邸


先日、有坂にやった書状の返事が届いたが思っていたよりも遅かった。あ奴ならば、怒鳴り込んでくるかと思っていたが、どうやらそんな暇もないらしい。ふむ、あ奴もあ奴なりに何らかの陰謀を張り巡らせているらしい。


奴の献策で老中阿部正右殿の福山藩の財政状況は好転したそうだが、越後屋のことだ。これを機会に他藩にも同じことをするだろう。ならば、先んじてあ奴を動かせてやろうと思ったが、思った通り、言外のそれを読み取って動いたようだな。


しかし、西国親藩を根こそぎ殖産興業させるとは、思い切ったことを考えたものだ。一筆書けと催促の書状とは、奴も余のことをこき使う腹積もりらしい。そして、余の役割まで事細かに書いて寄越すとは・・・。


仕方ない。今は幕府御用金を溜め込まねばならぬ。そして、老中連を味方につけて昇進せねばならん。幸いにして今は親藩老中が多い。そして田沼派と言っても良い。あ奴の進言に従って老中首座の松平武元殿、老中松平輝高殿との親交を深め、後日、あ奴か源内を出張らせて紡績機とやらを普及させることとしよう。


もう一通は源内からの書状か。


なに、長崎遊学を認めろ?この忙しい時期にそんな暇ないだろう。そもそも、源内よ、お前は有坂に高松、津山、松江と周旋しろと言われておるでないか。なに?周旋ついでに行くからカネ寄越せ?有坂に無心するが良い。余にはそんなカネはない。そもそも、我が相良藩2万石は、そなたらにどれだけ資金提供していると思うのか、ちっとはこちらに回すが良い。たんまりと儲けておるくせに。


さて、返事を書いてやるとするか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ