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明日も葵の風が吹く  作者: 有坂総一郎
それぞれの思惑

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相良財閥

明和5年2月1日 盃会 会議室


先日の夫婦謀議で決定された方針を実行するため、相良の主要な商家などを招集した。最近は、盃会が商工会議所とか経団連的な役割を担っている気がしないでもない・・・。実務的に必要だったからそうしたのであるが、無意識に歴史改変をやらかしていたと今気づいた・・・。


まぁ、堺の会合衆とかあったのだから、このくらいはまだ許容範囲だ。


さて、会議冒頭で、相良の両替商は相良銀行、相良投資銀行の二行に再編することとした。当然、現代的なそれだ。資金の貸金、預金が相良銀行の役割、事業資金の融通が相良投資銀行の役割である。反発はあったが、今までの実績と相良藩というお上の意思というゴリ押しで通した。


また、大工や左官などを含めた土建業界を再編し、相良建設を設立し、職人の集中管理と職業技術の平均化を狙う。これで土木事業の効率化を図れるはずだ。


漁師も同様に相良漁業組合を設立し、集団化と漁獲管理をすることとした。


農業も豪農を企業化することで被雇用者である小作人たちの収入安定を狙った。ついでに、結奈が持ち込んだ苗代方式で稲作を義務付けた。そして、不毛の大地である牧之原台地における茶葉栽培を宣言。これは、私が独占することにした。また、飢饉対策にトウモロコシ栽培を奨励することにした。


そして、有坂海運の設立も同時に行われた。これは蒸気船の就航まで暫く本業である海運業は既存の統合した廻船問屋を運用することになるだろうが、相良における企業を束ねる実質的な持ち株会社的役割も担う。つまり、相良財閥の本社というわけだ。勿論、私直轄である。なお、相良港の港湾施設の所有権と運営権もこちらに移管した。


なお、チート油田たる相良油田とその精製施設は有坂石油として藩営から移管することにした。どうせ、実用化出来るまで赤字だし。有坂海運で補填することで決着。


これで、江戸で意次様らと謀議した当初の目論見が完遂された。そして、先日の夫婦謀議の目論見もまた完遂された。結果、相良から江戸時代らしい私企業はほとんど消滅し、どの企業も相良藩、盃会、私の影響下に収まった。中央集権万歳。


なお、相良財閥と公称するが、実態は有坂財閥であるのは公然の秘密である。なにせ、三井への対抗を主目的に構築された裏の目的を完遂するためには私の影響力、強制力が絶対必要だからだ。


歴史の歯車を止めるために歯車を加速させているような気がするが、それってどうなんだろうか・・・。と思うが、結局、水で消せない火は爆風で消すしかないと思って納得することにした。


なんにせよ、資本の蓄積と資本の供給が出来ないと三井は止められない。そのためのヤラセだってわかっていてもやるしかないのだ。


以下が相良財閥構成企業である。


有坂海運

有坂製茶

有坂石油

相良重工業

相良製鉄

相良造機

相良鋼管

相良鋳造工業

相良鉄道

相良銀行

相良投資銀行

相良建設

相良漁業組合

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