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蒼い恋。淡い恋。  作者: NM28
一章 -今日一日-
2/12

優しい検車区長

私の仕事場〈OFCA(オフッカ)〉は戸部7丁目の交差点近くにある。本当は市営地下鉄ビーチサイドラインの高島町駅が最寄りなのだが、私の唯一の運動になるので、横浜駅から片道20分弱の道のりを頑張って歩いている。ちなみに海浜急行の平沼橋駅も近いけど、「横浜までの定期なら横浜でお買い物するときにも使えるのでオトクだよ!」と入社時に教えてもらったので横浜までの定期を取った。(6箇月定期だと最寄り駅から平沼橋駅までの定期より2000円弱高いのは秘密)

ちなみにOFCAとはOgura First Class Architectの略らしい。ちなみにOguraは小倉社長のこと、First Class Architectは英語で「一級建築士」というらしい。

「夏葉ちゃんおはよう!」

「おはようございます原先輩!」

ビル前で合流したのは2年先輩の原先輩だ。彼女は同じ海浜急行線の二俣川に住んでいて、彼女の家には数度パーティーに御呼ばれしたことがある。

ピンポーン。エレベーターが下りてきた。5階まで先輩と一緒に昇る。

「どう夏葉ちゃん、一級建築士の勉強、はかどってる?」

「全然ですよ...記述苦手すぎてまとまらないせいで答えはわかるのにうまく書けないんですよ!」

「またそんなこと言って~...実は勉強中寝てるんじゃないの~?」

図星だった。狭いエレベーター内でどこに目を向ければいいのか分からなかった。

「やっぱり~。しっかり勉強しようよ。私が合格した時のノート貸そうか?」

原先輩は1年前に一級建築士試験に合格していた。「1年という短い歳月で合格できた秘訣はノートにある」と豪語するあたり、先輩のノートは気になる。

「今度貸してください!」

「オッケー。来週にでも持ってくるよ。」

ピンポーン。エレベーターが5階に到着した。

OFCAのドアを2人で開ける。『おはようございます!!』


◇◇◇◇◇


10時15分、車両を入庫させ、点検を完了させた涼介は検車区に戻ってきた。

「お疲れ菅原君。」

「こんにちは検車区長。復活されたんですね!お体のほうは大丈夫ですか?」

「ああ、大丈夫だよ。心配してくれてたんだね。嬉しいよ。」

声をかけたのは塩島検車区長。一昨日まで早期の胃がんを治療するために休養を取っていた。すべての運転士に優しく、時にホームに降りればほかの役職の人や困っている乗客を見つければ積極的に声をかける、そんな彼に涼介は心から尊敬し、憧れていた。

「ところで今日は早番だったのだろう?もう今日はお帰りかい?」

「そうですね。久々の休日ですので、どこかに遊びに行きたいですね。」

「そうかそうか。ところで菅原君には彼女はいないのかね?」

こんな話に検車区長が首を突っ込むのは初めてなのでちょっとびっくりしながら、

「えっ、いませんけど?」と返した。

「そうか。君なら背も高いし、目鼻立ちもきれいだし、きっといいお相手さんが見つかると思うよ。まあ気長に待ってみなされ。」

...とは検車区長に言われたものの、涼介は鉄道一筋で突き進み、学校生活の中では一度も付き合ったことはなかった。

でも、一人だけ、涼介が密かに思いを寄せていた人物がいた。

川野夏葉である。彼女とは小学6年の時に転校してきて、涼介が一目惚れした人物だ。彼女のことだけは今でも忘れていない。しかし、親の転勤で涼介が二俣川に引っ越すことになり、彼女とは離れ離れになってしまい、相当悲しんだのを今でも覚えている。今でも夏葉に似た人を見かけると、不思議と目で追ってしまうのだ。

「じゃあ検車区長、お先に失礼します。」

「ご苦労様。」そういって検車区長は見送ってくれた。

誰も見てくれてないかな~なんて思ってアクセス数覗いたら思ったより読んでくれてたので(とはいっても二けた人数だが)やる気が出たのでその日のうちに続編を出しました。なんか夏葉パートのほうが涼介パートより長い気がしますがそれは気のせい。

まあ次回以降はいつ書くかは未定なので気長に待っててください。

あと誤字を発見したらいつでもコメントお願いします!

感想も待ってます(こんな奴にくれるわけない)

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