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転生? はいそうですがなにか?

また性懲りもなく始めてしまった……。

続くかはわからないし作者の都合により更新されていくのでご了承ください。

 死んだ。

 俺の人生に意味などあったのかと思うくらいに無残で悲惨な死に方だと自分でも自負できるくらいに酷い死に方だった。

 俺は中流家庭に生まれ、それなりに努力してきた。

 俺の考え方が大人に引けを取らなかったのも一因だろう、俺は親に愛という愛ももらえず過ごしてきた。

 父はたびたびいなくなり、母は男を家に連れ込む。

 俺が本当に父の子供か怪しいもいんだ。

 そんな中、俺は親に認めてもらおうと努力して、努力して、努力した。

 才能がない分野でもできるまで繰り返してなんとかモノにした。

 いつしか俺は近所では天才だと言われていたがその肩書きはうれしいものではなかった。

 親に認められようとして努力して手に入れたモノを天才とひとくくりにしてもらいたくなかったからだ。

 それに俺は自分でも凡人だと自負している。

 しかし、俺はいくら努力しても両親から認められることはなかった。

 ある日、俺は両親に連れられて山に行った。

 俺は両親に連れられて旅行みたいなモノだと思い、とてもうれしかった。

 これまで一度も遊べず、友と呼べる存在もいなかった俺には両親しかいなかったから認められたと思ってうれしかった。

 でもそれは違った。

 両親は俺を売ったのだ。

 どうやら両親はドラッグにも手を出していたようで金がなくなり、お金もかかるし、売れば金が手に入る俺という存在を売ったのだ。



「運がないなぁ、あんちゃん」

「…………」



 俺は徹底的に売れる部位という部位を体から切り離された。

 残っていた舌も切り離されて俺はしゃべることすらできず、目玉のない眼窩から涙を流すしかなかった。

 俺は、俺はなんのために生きてきたんだ?

 親に認められるために、ずっと頑張ってきた。

 確かに俺の世界は小さかったかもしれない。

 でもそれでも、これはあんまりだろ、神様。

 できるなら、今度こそは間違えたりしない、だから、かみさま、おれを――




『やぁ』

「…………」



 俺は夢見心地の微睡の中で声を聞いていた。

 その声は男にも女にも老人にも子供にも聞こえる声だった。

 でもどこか響く声が耳に入る度に気分が落ち着いていく。

 そしてふと、悟った。

 俺は死んだのだと。

 どうして死んだのなんてわからない。

 


『君は死んだことを理解しているようだね、よかったよかった』

「…………」

『さて、本題に入ろうか。君は今魂の状態だ。そしてとても不安定で脆く、今にも壊れそうな状態だ。もちろん治すことはできるけれどそれは君という精神が、まぁ言い換えれば魂が別物となるんだ。そうなる前に僕は君を異世界に転生させることにした。この異世界についての質問は受け付けられないけれど君に持っていきたい能力を選ばせてあげようかと思うんだけれど、いいかい?』

「……それは、もう一度やり直せるってことですか?」

『そうだね、うん。それで能力は持っていくかい? 持っていかなくてもいいけれどそれがないと生きにくい世界だからね』

「……お願いします。能力は……ゲームの設定みたいな能力がいいです」

『うん? ああ、そういうこと。レベルとかスキルとかアビリティとかポイントとかステータスのことかい?』

「はい、あとできればアップデートみたいな能力ももらえることはできますか?」

『それはこちらでやるよ。でも条件を満たさないとアップデートはできないからね?』

「はい、ありがとうございます」



 俺はゲームなんかしたことがない。

 でも、教室にいたみんながそんな話をしているのを聞いてとてもうらやましかった。

 それにそのゲームの設定は僕にとってとても意味のあるものだ。

 僕は前世で努力すればなんでもできた。

 それが異世界でも通用するようにしただけだ。

 それなら才能もよかっとは思うけれど、僕自身ゲームをしたいからこれを選んだ。



『それじゃあ、異世界へ送るね。じゃあ、また会えるといいね』

「ありがとうございました。また会えることを祈っています」



 意識がまた微睡に落ちていく。

 そうして俺の意識はシャットダウンされた。

 


『ふぅ、こんなに魂をボロボロにするなんて……地球の神は何をしているんだか』

『仕方あるまい、彼奴が望んだのは平等ではない、不平等だからな』

『ああ、いたのかアレドライド』

『まぁ、な。ワシも少しだけだが気になっておったのだよ。まぁ、彼奴の気持ちを汲んでやれ』

『そりゃ、ね。平等だととてもつまらない世界になるのはわかるさ、発展もなにもないただのケモノとほとんど変わりなくなってしまうからね。でもあそこまで徹底的な不平等はちょっとかわいそうだと思っただけさ。もちろん地球の神に干渉もするわけじゃないし、さっきの魂もちゃんと許可をとって譲り受けた魂だからね』

『まぁ、そんなことは百も承知だが……あまり下界には干渉するんじゃないぞ? 最近悪神どもが何かを企んでいるようでな、何もなければいいが……』

『……そう、だね』



(あの子の魂は今にも真っ黒に塗りつぶされそうだったのは見ていない……か。あの子は悪にも善にもなる透明な魂を持っている。それが真っ黒に変われば大惨事になっただろう……。あの子は次代の英雄となるか、それとも――)




「こ、こは?」



 眼を開けた瞬間知らない天井が見えた。

 喉がとても乾いているがひりひりとした痛みが俺を生きていると実感させる。

 起き上がろうと思ってたけれど身体の節々が痛い。

 どうやら俺は高熱を出して三日間寝ていたようだ。

 この身体の今世の俺の記憶を手繰っていくとそう結論が出ていた。

 親は母親だけで、あまり裕福な暮らしはできていない。

 極貧とまではいかなくてもそれなりに貧しい家庭のようだ。

 父は不明、別れたのか、それとも死んだのか……。

 そして今世の俺の名前はエディ、ただのエディだ。

 そしてここはアルルカンという国のガシェル子爵領の村の一つで名前はヘッジ村。

 ガシェル子爵様自体はいい貴族様のようだが経営が上手くいっていないのか子爵領はちょっと貧乏である。

 そこまで考えたところで母様が部屋に入ってきた。

 少しばかりやつれているようだが俺を見るなり、嬉しそうに抱き着いてきた。



「苦しいです、母様」

「よかった……よかったエディ」



 涙を流してくれるほど俺は愛されているのだと凄くうれしくて、俺まで涙が出てくる。

 母様を悲しませないようにしよう。

 そういって俺は空中に表示されたディスプレイを見ていた。



 名前:エディ

 年齢:3歳

 class:村民Lv.1

 HP:5

 MP:15

 STR:5

 VIT:5

 DEX:5

 AGI:5

 LUK:10

 ユニークスキル:【遊戯設定ゲームシステム

 スキル:なし

 SP:100



 それはこの世界での俺の力であり、俺の切り札(ジョーカー)

 俺はこの力で生きていく。

 今度は間違えない。



「母様、水はありますか?」

「ちょっと待っててね」



 母様が水をくみに行く間にこの【遊戯設定ゲームシステム】を操作してみることにした。

 まず操作できるのはSP100と書かれているモノのみのようだ。

 説明書はないのが少し悔やまれる。

 とりあえずSPを操作するとざっとスキル欄が出てきた。

 その下に灰色の文字でユニークスキルと書いてあるのでユニークスキルもいつかはSPで取れるとみて間違いないだろう。

 SPの無駄遣いはできないな……。

 スキルを見ていくと、見逃せないモノが一つあった。



【SP増加(50)】:1レベルあたりのSP増加。



 これは取っておかねばなるまい。

 最初に内に取っておけばそのうち膨大な量のポイントになるだろう。

 しかし、これがユニークスキルじゃないのはなぜなのだろう……?

 スキルにしては破格の効果だし、な。

 ……もしかしたらSPを使うのは僕だけだから、とか?

 ……ありうる。

 まぁ。50SPも使ったのは痛手ではるけれど後悔はない。

 あとは……めぼしいモノはほとんどないけれど、【鑑定アナライズ(10)】と【気配察知(5)】、【隠行(5)】を手に入れた。

 これは己のレベルを上げるためと、野草とか食べられるモノを探すためだ。

 【鑑定アナライズ】は食べ物や薬草などを探すために、【気配察知】【隠行】は隠れて森に入って魔物を殺すためだ。

 時間は有限だし、気配察知で効率よく狩りができるのもいい。もしかしたらウサギとかも手に入れられるかもしれない。

 そこで、俺は気づいたのだが、どうやって殺そう……?

 そこで泣く泣く俺は新たな【風魔法(10)】を取得した。これでSPは20しかなくなってしまった。

 母様が戻ってきて水を俺に飲ませてくれる。

 そういえば今世の俺は自分のことを『僕』と呼んでいるからこれからは僕と言おう。



 明けて翌日、朝は具なしのスープで硬いパンと言った感じの朝食だった。

 もちろんそんなものでは足りないが仕方がない。

 お母さんは畑に農作業に行って俺は託児所の役割をしている村長の家に預けられた。

 そこでは子供が僕を入れて三人しかいない。

 一人は結構悪がきな印象……というかそのまんまの男の子『カッセ』。もう一人は内気でいつもおろおろしている女の子『シェミル』、そして僕だ。

 カッセがいつもシェミルを引っ張っているって感じかな?

 そんなカッセにシェミルは淡い恋心を……まだ三歳だから抱いてはいないだろうが将来はどうかわからない。

 僕はいつもそんな二人と遊んでいたのだがこれからはちょっとその回数が減るかもしれない。

 昨日取った【風魔法】の訓練をしたいし、村長宅にある本も読んでみたいのだ。

 というわけで二人に申し訳ない気持ちを抱きながらも今日は断らせてもらった。

 まずは魔法の練習をする。

 おままごとをしている二人を後目にここで【隠行】を使い村長宅の裏に行き、魔法を試す。

 魔法はイメージだ。

 強く願うことで精霊に魔力を渡し、それをかなえてもらうのだ。

 まずは魔力を感じることから始める。

 と言っても魔力自体は記憶が復活してからもやもやしたものが丹田あたりに漂っているのがわかっている。

 それが体中にいきわたるように廻らせる。

 血液に乗って、すべての細胞に魔力をいきわたらせるイメージ。

 ……うまくいったようだ。

 先ほどよりも身体が軽い。

 これは身体強化魔法に入るのかな?

 そういえばスキルの欄に身体強化はなかったけれど……。

 


【神よりメッセージがございます】

「うぉっ!?」



 何? メッセージ?

 俺がそうつぶやいたらメッセージと思しきモノが再生された。



【やぁ、エディ君。魔法を発明するなんてすごいねぇ、ここ何百年かはなかった事例だよ。というわけで君にはご褒美を与えることにした。SP100と【遊戯設定ゲームシステム】のアップデートをしておいたよ】

「……まじかよ……」



 あまりにも速すぎる成長に僕自身戸惑いを隠せない。

 しかし確認してみたら確かに増えていた。

 その名も【ガチャⅠ】だ。『ゲームには必須だよね』って横に追記が書かれている。

 それにしてもⅡとかⅢとかもあるのかな……?

 【ガチャⅠ】は一日一回だけしか引けないけれど無料で引ける。しかし中に入っているのはあまり役に立たないモノばかりだという。

 そして記念すべき一回目……なのだが、一回目に限り10連ガチャが可能ですって書いてあるのだけれど……。

 まぁ、普通に考えてするよね。



一回目:アイテムボックス【神の介入により決まりました】

二回目:ポケットティッシュ

三回目:SP5

四回目:8級魔石

五回目:木刀

六回目:革財布

七回目:飴一袋

八回目:スリング

九回目:DEX+5

十回目:LUK+5



 ……まぁ、うん。突っ込みたいところはいっぱいあるけれど袋型のアイテムボックスを腰につけて一度全部アイテムボックスに入れる。

 まぁ、神様も便宜を図ってくれているのだろう、感謝しよう。

 一度ステータスを見てみる。



 名前:エディ

 年齢:3歳

 class:村民Lv.1

 HP:5

 MP:15

 STR:5

 VIT:5

 DEX:10

 AGI:5

 LUK:15

 ユニークスキル:【遊戯設定ゲームシステム

 スキル:【SP増加】P.S.【鑑定アナライズ】【気配察知】【隠行】【風魔法】

 SP:177.5



 あいぇっ!?

 ポイントがおかしい!?

 ……あぁ、SP増加の影響か?

 でもあれって一レベルあたりのSPを増加するんじゃなかったっけ?

 うん? なんか【SP増加】の横に書いてある。

 集中してみてみるとその全容が明らかになった。



 P.S.入手したSPならばなんでも1.5倍!! 今ならなぁんと!! この埃取りもついてくる!! それでいて1.5倍!! 二つそろって、今ならタダ!! タダでご提供いたします!!



 どこのセールスだよ!?

 いつの間にか俺の右手に埃取りがあるし!!

 意味わかんねえよ神様ぁ!!

感想とかできたらほしいです。

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