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第六魔:魔界ってこんなに寒いものなのか?

ヘルズ・ゲートを抜けた先には何が待っているのだろう。そんな期待と不安を抱きながらヘルズ・ゲートを潜っていく。まかいのっ!! 第六魔はココでチェックッ↓

 ヘルズ・ゲートを抜けた先には倉庫のような空間が広がっていた。辺りを見回すと黒いフードをかぶってうずくまっている者や腹筋をしている者がいっせいにこちらに目をやった。俺はドキリとして目をそらす。シィタと目が合う。シィタは何か言いたげに口をモゴモゴさせたが首を振り押し黙った。俺はケイを見る。ケイは震えていた。そして俺も震えた。なんだか寒いのだ。魔界とはこんなにも寒いものなのだろうか。不意にミューが話し出す。


「何でこんなに寒いのよ!! お腹が冷えちゃうじゃない」


 俺は『そこかよ』という突っ込みを飲み込んでケイを見る。


「肝心なのはそこですかぁ? そんなにお腹を出しているからだよミューちゃん」


 ケイが俺の言いたかったことを代弁してくれたのはいいがあくまでもそれを言うとミューが怒り出すのではないかという考えで飲み込んだのだ。その後にケイがミューにぶっ飛ばされたのはいうまでもない。ケイが痛そうに頬をさすりながらもう片方の手でメガネをかけなおした。


「お前ら、いつまでそこに突っ立ってんだ」


 先ほど腹筋をしていた男が声をかけた。


「ひぃっ!! す、すいませぇんっ」


 ケイが変な声で応える。シィタが黙々と歩き出し、俺もそれに続く。シィタはずんずんと進んでいく。一番奥の樽の上にちょこんと座ると『プハァ』と息を吐いた。


「何してたのよシィタ」

「んーっとぉ、息を止めていれば身体が暖かくなると思って」


 シィタがニパァと笑う。ミューは呆れ顔で息を漏らすと地べたに座った。


「で、どうだったの、暖かくなった?」


 ミューが問う。シィタは目を右回りにぐるりと廻すと首をかしげた。ミューも同じく首をかしげる。


「びみょー」


 シィタはそう応えるとガチガチと震えだした。ミューがしかめっ面でシィタに飛びかかる。全く寒いのに元気な奴らだ。俺はここに来るまでずっと『寒い寒い寒い』と言っていたが誰一人聞いていないようで、質問するのも結局俺だった。しかし皆は首を振りその原因はわからないという。このとき俺は思った。自己紹介も何もしていないのに赤の他人と話せるのはすごい能力なのではと。意外や意外、コミュニケーションを取るのが苦手だと思っていたが、こんなにもすんなり話が出来るのは生まれて初めてかもしれない。そんなことを思っているとフードをかぶった男が初めて口を開いた。


「……あのー、自己紹介がまだでしたよね? ぼくはティーダprprです。……どうぞよろしく」


 何て? ティーダまではいいがそのあとの『prpr』はなんだ。そう思っているとケイが突然叫んだ。


「ぬぉぉぉお!! ティーダさん!? いま、ティーダさんて言ったよね!? 前まではミリアムprprと言っていたのにぃぃぃいいい」


 急になんだ。ミリアム? 何の話だ。全く状況が飲み込めない。しかし『prpr』は聞いたことがある。一種のオタク用語らしいが意味が分からない。結局このフード男の名前は何なんだ。そう思っていると腹筋をしていた男が横から大声で怒鳴った。


「うるせぇんだよお前ぇ達!!」


 ただでさえ寒いのに一気に場が凍りつく。シィタもミューも樽の後ろに隠れていた。ケイは先ほどと同じようにガッチガチやぞ!! シーンと静まりかえると腹筋をしていた男は息を吐き出した。


「俺は亜刃乱地だ。よろしくな」


 一言いうとまた腹筋をはじめた。というかなんと言った? こいつもこいつでわけの分からない名前だ。あばらんち? どっかで聞いたことがあるような気もするが分からない。


「皆さん申し訳ないです」


 亜刃乱地の後ろの扉からぴょこっと小さな少女が姿を現した。亜刃乱地がギロリとその少女をにらむ。


「はわぁっ!! 申し訳ないです、です」


 亜刃乱地が視線を戻して再度腹筋を再開すると少女はホッとした様子で前に出てきた。そしてぴょこんとお辞儀をする。


「わたしはクシーと申しますです。どうぞよろしくです」


 俺は二人に向かって頭を下げる。するとクシーがふよふよとこちらへ寄ってきて俺の頭をポンと叩いた。俺は何事かと思い頭をあげるとクシーが笑みを浮かべていた。顔には出さなかったが俺はとても癒された気分になった。するとミューが俺の横にいたケイの頭をボカリと叩いた。鈍い音がした。これは痛そうだ。


「デレデレしてんじゃないわよ、このロリケイが」


 ケイはこちらを見てうらやましそうな顔で鼻の下を伸ばしていた。情けない顔だと思いながらふと気付く。寒くない……。クシーが『あぁ』と言って口を開いた。


「それはですね。エアコンが壊れていたんです、です。もう寒くないはずですよ」


 読心術!? 寒い寒くないよりもまずそちらのほうに驚いた。クシーは読心術を使えるらしい。本当に吃驚だった。しかしまたそこで『エアコン?』と首をかしげる。


……超現実味ありやがる!!

えっと……久々の投稿です。

最近結構忙しくて続きがここまで伸びてしまいました。本当に読者の皆様には深くお詫び申し上げます><

いやぁ、忙しいのは罪ですね(笑)


今回も何かとコメディっぽくなってしまいました^^; 

……楽しく読んでいただけると幸いです(苦笑)


次回!! 「ついに黒魂との全面対決ーーーはまだ早いかなwww」乞うご期待!!

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