第二魔:ファンタジックは俺の夢
魔女っ子コスプレ(?)をした少女、シィタに出会った俺は窓からその身を投げ捨てた。(まだ死んだわけじゃないぞ!!)
それでは、ごゆっくりお楽しみください。
「どわあぁぁぁい」
俺は下へと落ちていく感覚にとらわれながら今後の事を想像していた。元々ファンタジーに興味があった俺は、ゲームはもちろんビデオやDVDだってファンタジックなものばかり集めては親に溜息をつかれていた。もう子供じゃないんだからと親は言うけれど、ファンタジーは子供なのか。と逆に思うし、俺の世界観を荒らさないでほしい。などと言ってはまた溜息をつかれる事が俺にとって一番嫌な事だった。今実際に起きていることは、なんと夢のような話であろうか。そもそもこれが夢なのかもわからないがな。とてもワクワクするってもんだ。しかし、もしこれが現実だった場合。俺はいったいどうなってしまうのだろうかという不安が心のどこかにあった。
おかしい。そろそろ下についていてもいいほどの時間は流れたはずだ。だが、まだ落ち続けている。ふと足元を見ると、なんとまぁファンタジックなことだろう。身体そのものが宙に浮いて、空に足をついていた。嬉しいにもかかわらず、ぎょっとした俺は足をバタバタさせて慌てる。しかし落ちない事が分かるとフゥと息をついて体勢を取りなおす。
隣にはシィタが鎌を構えている。その目線を追って前を向くと、巨大な大男がいびきをかいて座りながら寝ていた。巨大な大男と言うのは少し表現がおかしいかもしれないが、ともかくデカイ!! 立ちあがったら余裕でどこかの山を越えてしまいそうなデカさだ。正座座りして寝ているだけでも、富士山の3分の2ほどの大きさがある。何かベトッとした感覚が手にあったので見てみると、びっしょりと濡れていた。いつの間にか手汗をかいていたのだ。それがこの巨大な大男にビビってかいたものなのか、それともわずかにある高揚感。今の言葉で言えばアゲ↑↑からなのか分からなかったが、これはこれで面白いと思っていた。
しかし、彼は寝ている。となるとさっきの腕は別物か? いやいや、確かにあのゴツい腕だった。うーん、と考えているとシィタが周りをキョロキョロ見渡し落ち着きがなかった。そして俺の方を見るとソソソーっと近づいてきて俺の耳元に手をあてがい、コショコショと話しだした。
「どうやらさっきのは寝がえりだったみたいですね」
俺は目が点になってしまいそうだった。敵に寝返りも何もあるのか? そんな変な理由で俺たちの身に危険が迫ったのかと思うと、身体の力が一気に抜けてその場にへたり込んだ。俺の思っていた世界とは全くの別物で、ファンタジックな感じはあるが、敵が初めから寝ているという時点でやる気が一気に失せてしまったのだ。そして今度は体中がムズムズしてたまらなくなり、つい大声で叫んでしまった。
「何なんだこれは!! ちょっとファンタジーっぽいから気軽にノってたけど、今思えばワッケ分からん!!」
シィタが焦り始める。俺が叫んだことによって巨大な大男は目を覚ましてしまった!!
「ワシが居眠りしてんのに、それを起こすとは何事だ!!」
明らかに怒っている。これは流石にまずいなと思った。ファンタジーの世界ではこういうパターンは大抵……。
「くそう、これ以上ワシの眠りを妨げられてたまるか!! 覚悟しろ!!」
こうなるのねーーッッッ!!!!!!
話の展開が早すぎかな。と思っています。
今回は書き方があまりわくわくしないような気が……。
あと名前(あだ名)はもう少し後の方ですね、はい。
そこは温かい目で見てもらえると嬉しいです(苦笑)
それでは次回をお楽しみに