第一魔:唐突すぎな始まり
みなさん、おはこんにちばんは~!! 赤神 裕です。
え~、今回のストーリーは私が書いてきた中で一番明るい感じのストーリーです。
うまく言えないのですが、要するにグロがないということです。いくらバトルと言っても、激しい出血や残酷な表現はないですし。あるとすれば鼻血とかそれくらいですかね(苦笑)
楽しく読んでいただければ光栄です。それではどうぞ。
毎度、毎度のように新年を迎えて新学年になるといった平凡かつ退屈な日常に飽きてしまったなんてぼやいている最中、人生最大の転機が訪れたのは、とある春の日のことだった。ぼんやりと窓の外を眺めているだけの俺はなんとも友達が少ないことだろう。昼休みだと言うのに周りには誰もいないし、話しかけてくる奴もいないし、もっと言えば誰とも話したくはない。この昼休みと言う貴重な時間をまったりと過ごしたいというのが本心なのだが、周りに誰もいないとなるとやはり話し相手の一人や二人は欲しいところである。そんな事を考えてもどうにもならず、自分自身でも分かるほど優柔不断な自問自答に出るのは溜息ばかりだった。いっそのこと外に出て気の合う奴と話でもしようかと思ったが、それは頭の中で考えているだけであって身体は一向に動こうとはしなかった。そしてまた溜息が出る。
少し目を閉じると瞼が重くなっていくのが分かったが、いかん、いかん。寝てしまっては咄嗟に誰かが話しかけてきたときに対応できないではないか。とまだ希望を捨て切れず重たい瞼をこすって、目を見開き、ペットボトルのつめたい水をグイッと飲む。のどをツーッとつめたい水が通って行き、瞼もだいぶ軽くなった。プハァと前を向いた瞬間、目の前から何やら甘い香りがした。目は茶色っぽくて大きく、髪は黒いセミロングで、背は大体155弱ほどあろう女子が俺の前で行動を起こすわけでもなくじっとこちらを見つめていた。よくよく見るとこの学校の制服ではないことに気づく。いや、制服と言うよりもファンタジックな私服、魔女っ子コスプレと言えば分かるであろうか。兎に角そんな感じの服を身にまとってこちらを見ているのだ。頭の上にハテナが数個並ぶような感じに混乱した。
(いやいやいやいや、これは夢か。そう、夢だ)
自分にそう言い聞かせてひとりでうなずくと目を一度グッと閉じてパッと見開く。が、やはり女子は変わらずそこにいた。それがおかしかったのかその子がクスッと笑う。俺は呆然と彼女を見上げているだけだった。するとその彼女が口を開いた。
「見つけました。私のご主人さま」
俺は目を丸くして今言われた事を声には出さなかったが何度も何度も頭の中で繰り返していた。“ご主人さま”という単語が頭の中を駆け巡り、頭がクラクラした。そんな俺を気にもせず、彼女は次々と話しかけてきて更に俺の頭をクラクラさせた。
「私は、シィタ・エビリアム・デルミニアールと申します。ここは人間界でいいんですよね? あぁ~とっても気持ちいぃ朝日ですね。私初めてで……」
「ちょっとまて……。なにがなんだか……。」
彼女、シィタはゆっくりした口調でほんわりと和む。だが、彼女の言っていることは俺の頭では理解できなかった。いや、きっと理解できないのは俺だけではないだろう。その場にいれば誰もが頭の上にハテナを浮かべるだろう。俺がまず思ったのは、このシィタ(とか言ったっけ?)は外人か? と言うことと、そうだとしたらとても日本語がうまいなということだった。そして、後半に関しては全く意味がわからなかった。人間界? 朝日が初めて? 一体どういう……。そう思っているとグラリと校舎が揺れて、次に巨大な腕が教室の窓をぶち破って外から伸びていた。しかし周りの生徒たちはいたって普通であった。気づいていないのだろうか。いや、そんなはずはない。俺が頭を抱えているとシィタが俺の方へ向かって真剣な顔をしていた。
「大変なことが起きました」
見りゃあ分かるよと言ってやりたかったね。これは俺がおかしいのか、周りがおかしいのか少なくとも俺には分からなかった。いや、誰でもこんな状況に置かれたら混乱するであろう。例えばあなたがボーっとしていると急に見ず知らずの女子が話しかけてきて、直後に巨大な腕が窓ぶち破ってきたらどうするよ? 訳分からなくなるだろう? それと一緒だ。兎に角俺は訳が分からなかった。しかし、心のどこかで面白いと思ったのか受け答えは普通にしていた。
「早く契約を行ってください。ご主人さま」
「契約? 契約って、何のことだ?」
「私と契約して、一緒に戦うんです。あなたから来ないなら私から行きます!!」
シィタはそう言うと自然と立ち上がっていた俺の頬に手を当て軽く口づけをすると、まばゆい光が俺を包み込み、俺の腕に黒い輪と手にずっしりとした鎌が握られていた。俺は目をぱちくりさせて何が起きたのか理解しようとしたが、何も理解できなかった。唯一分かったのがこの鎌で何かと戦うというファンタジックなことだけ。何かって何だって? そんなもの知らん。ただ、これは面白くなってきたぞと内心ワクワクしていた。
だが、急に、その、なんだ。口づけされたことについては本当にびっくりしていて、その事が印象強かったのか、ワクワク感よりも先に驚きの方が体外へ出てしまっていた。
「えっと、一体どういう……?」
「説明は後でしますから、ついてきてください」
シィタは真剣な顔でグッと手に力を入れた。よくみるとその手には俺と全く同じ鎌を持っていた。
シィタが巨大な腕がぶち破った壁から外へと飛び出していくのを見て俺は慌ててそれに続いて飛び降りる。
ってちょっと待て。ここ4階だったッッッ!! だがもう遅かった。俺はそのまま下へと落ちて行った。
いかがでしたか?
いやぁ~、大変なことになってしまいましたね~俺(笑)
え、名前? 細かいことは気にしな~い!!
名前はあだ名で通しますので、次回をお待ちください。