【第7話:復讐】
第7話:復讐
ヒノラはその場に完全に凍りついたまま、兄の無残な死の光景に、何の反応も動きも見せなかった。それは彼女が冷酷だったからではない。あまりに大きすぎる衝撃が、彼女の理解の限界を超えてしまったからだ。彼女は完全な放心状態に陥り、恐怖がその心からあらゆる感情を奪い去っていた。
その瞬間、皇帝メギンは兄を殺した時と同じ方法で彼女を殺そうと試みた。彼は闇に染まった手を伸ばし、彼女の感情を操ろうとした。しかし、彼は激しく驚かされることとなった――この少女からは、怒りも、復讐への願望も、恐怖さえも、悪意の欠片すら、一切感じ取ることができなかったのだ。彼女の心は、その瞬間、完全に純粋で、いかなる感情からも解き放たれていた。
メギンは一歩後ずさり、自らの闇を阻んだその純粋な人間の心に驚嘆を覚えたが、その驚きは長くは続かなかった。彼の両目には悪意の輝きが宿り、夜の底のように黒い剣を手の中に生み出すと、彼女を直接斬り殺そうとした。
その時、突如として空気が激しく裂けた!
メギンは、雷光のごとき速さで自分へと迫る剣の存在を感じ取った。彼は素早く身を翻し、その剣を自らの剣で容易く弾き返した。弾かれた剣は地面へと跳ね返り、深く突き刺さった。
メギンは冷然とした視線を、その剣の持ち主へと向けた――その瞬間、彼の瞳孔が大きく開いた。そこに立っていたのは、一人の人間の少年であった。涙を顔に流しながら、両目には激しい怒りの炎を燃やしていた。その手のひらには、鮮やかな青色に輝く水の紋章が浮かび上がり、その力の解放を告げていた! それは、水の紋章の半分を手にしたカイロンであった。彼はその場を震わせるような声で、皇帝に向かって叫んだ。
「お前の心核を、必ず破壊する……じいちゃんの死の、復讐をしてやる!」
――三十分前、カイロンの場合
カイロンは突然、苦しげに息をしながら目覚めた。彼は洞窟の外の地面に倒れていることに気づいた。後ろを振り返ると、石の壁はまるで一度も開いたことがなかったかのように、再び固く閉じられていた。一方、彼の手のひらには、灰色の落ち着いた色をした紋章の刻印が静かに刻まれていた。
身体の痛みなど気にも留めず、彼はすぐに立ち上がった。今の彼の頭にあるのは、祖父の安否を確かめることだけだった。彼は石段を駆け上がった。心臓は恐怖で激しく打っていた。家の広間へと辿り着いた瞬間、彼を迎えたのは、恐ろしいほどの静寂だった。
周囲を見渡すと、家は激しく破壊され、損傷していた。壁は粉々に散乱していた。彼は祖父への深い恐怖と不安に駆られ、視線を巡らせながら、声を限りに叫んだ。
「じいちゃん!……じいちゃん!」
彼の視線が地面へと落ちた瞬間――その血が、全身で凍りついた。
瓦礫の中に、血に染まった祖父の遺体があった。カイロンは崩れ落ち、激しく泣きながら祖父のもとへと駆け寄り、その遺体を抱きしめながら、苦しみに満ちた声で叫んだ。
「じいちゃんに、誰がこんなことをしたんだ?! 教えてくれ、頼む……俺を置いていかないでくれ!」
そして祖父の胸に目を向けた瞬間、彼は完全な衝撃に打たれた――その心臓は引き裂かれ、結晶のような「心核」が、跡形もなく完全に抜き取られていたのだ。その瞬間、カイロンの悲しみは、暗黒の怒りへと変わった。彼は祖父の遺体から離れ、ゆっくりと立ち上がった。その両目には、激しい復讐への渇望が燃え上がっていた。彼は厳しい声で言った。
「じいちゃんの復讐は……必ず果たす。約束する」
カイロンは拳を強く握り締めた。その怒りに応じるように、紋章は反応し、灰色の刻印は瞬時に鮮やかな青色へと変わり、輝く水の剣が彼の手のひらから形を成した。次にどこへ向かうべきかを知るため、彼は一つの大胆な決断を下した――洞窟で起きたのと同じように、もう一度、自らの心核へと意識を集中させたのだ。実際に、カイロンの肉体は再びその場に倒れ込み、彼の霊的意識は、再び水晶の広間の中に姿を現した。
そこには、水の紋章を守る霊的守護者が、力の鎖に縛られたまま存在していた。しかし彼は、少年の崩れ落ちる姿を見て、嘲るような笑みを浮かべていた。カイロンは手を上げ、空中で振り払った――すると守護者を縛る鎖は解かれ、消え去った。
守護者は嘲笑を浮かべながら前に進み出て言った。
「なぜここへ来たのだ、泥棒め? 私の助けが必要なのか? それとも、自分一人では紋章を使いこなせぬのか?」
カイロンは膝をつき、懇願と憎悪の入り混じった声で言った。
「じいちゃんの復讐をさせてくれ……俺を助けてくれ。そうすれば、俺が持つ半分の紋章を、お前に渡す。そして、殺した相手を倒した後に取り戻す、もう半分も……!」
守護者は冷然と彼を見つめて言った。
「なぜ私が、お前を助ける必要がある? お前は試練を乗り越え、その資格があるからこそ紋章を手にしたのだ。私に渡す義務など、お前にはない……それに、それを手に入れたところで、私には何の得もないのだからな」
カイロンは膝をついたまま、拳で地面を叩きながら叫んだ。
「お前が望むものなら、何でも渡す! 何でもだ!……ただ、もう半分の紋章がどこにあるのか、その場所だけを探してくれ。殺した男を見つけて、復讐を果たすために!」
守護霊の両目が輝き、その誘惑的な申し出について考え込んでから言った。
「何でも、か? それならば……私は、あの暗き洞窟へ戻り、それを守る役目には戻りたくない。だから、私はここ――お前の心核の中に留まり、紋章の守護者、そしてお前の助言者として、お前が死ぬ日まで在り続けたい」
カイロンは一瞬の迷いもなく、復讐の狂気に満ちた両目で答えた。
「わかった、それで構わない!」
守護者は両目を閉じ、もう半分の紋章の力を辿った。そして、しばらくしてから言った。
「見つけたぞ……もう半分の気は、すぐ近くにある。ここから近い、ある小さな家の中だ」そして、その場所を正確にカイロンに伝えた。
カイロンは礼を言うと、急いで自らの意識を引き戻し、再び肉体の制御を取り戻した。
――現在へ戻る
カイロンは、破壊された家の広間で両目を開いた。紋章は一瞬、灰色に戻っていたが、彼の肉体が動き出し、紋章の力を借りて凄まじい速さで駆け始めると、その刻印は再び鮮やかな青色に輝いた。彼は家を飛び出し、驚くほどの軽やかさと身軽さで屋根の上を駆け抜け、守護者が告げた場所へと向かった。
その家に辿り着くと、屋根は完全に破壊されていた。彼が中を見下ろすと、そこには、彼が幻視の中で見たあの恐ろしい男が、無垢な少女に襲いかかろうとしている姿があった。
彼は一瞬の躊躇もなく、少女を守るために、自らの水の剣を全力で投げつけた。しかしメギンは、それを容易く弾き返し、剣は地面へと跳ね返って落ちた。
カイロンは舞い上がる埃の中へと降り立ち、手のひらから力強く水の剣を呼び戻し、再びその手の中に握り直した。そして、闇の皇帝を激しい怒りを込めて見つめ、叫んだ。
「お前の心核を、必ず破壊する……じいちゃんの死の、復讐をしてやる!」




