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第16話

久しぶり更新です。

直前でのお知らせで申し訳ございません。

11月29日に西川口GALAXYさんにて本作品の朗読会を開催いたします。

結衣、寧音、芽衣、夏菜の4人に声が付きます。

詳細はX、一之瀬工房にて。

 私には何もない。そう思っていた。

 やりたいことはあるし、なりたいものもある。

 でも、自分なんて……。

 そう思って生きてきた。

 双子のお姉ちゃんもどうやら同じみたいで、好みは違ってもやっぱり姉妹だなぁ、なんて。

 従姉妹に誘われて、行った従姉妹のアイドルとしての最後のライブ。

 地下アイドルやってたなんて知らなかった。

 お姉ちゃんの推しのお友達なんだって。


 ライブが終わって、従姉妹の車で帰ってる最中。

 お姉ちゃんの表情がちょっと変わった。

 たぶん、自分もやってみたいって思ったんだなぁ。

 家に着いて、私は買ってきたぬいぐるみを飾ろうとすぐに部屋に戻る。

 ここかな? こっちもいいかも! なんて悩んでいるとお姉ちゃんの泣き声。

 え? なにかあったの?

 部屋に入ろうとすると聞こえた従姉妹の声。

 邪魔しちゃいけないな、って思って聞き耳を立てる。

 

 そっか……、勇気出せたんだ。

 すごいなぁ。私は無理だ。そう思って、部屋に戻る。

 やりたいこと、やりたいけど……。

 どうしても言えない。

 なんとなくもやもやした気持ちを抱えて、ベッドに横になる。

 ちょっとしたくらいで部屋の扉がノックされた。

 ゆいちゃんかな?


「はい、どうぞ」


 返事をするとドアが開く。

 入ってきたのはゆいちゃんじゃなくてめいちゃんだった。


「いきなりごめんね? でも寧音ちゃんには言わなきゃと思って」


 一体どうしたんだろう? ゆいちゃんに何かあった?

 少し身構えていると、めいちゃんから聞かされたのはゆいちゃんがアイドルやるってこと。

 立ち聞きしたあとからそんな話になったんだ~、すごいな。

 やっぱりすごいな、お姉ちゃんは。

 なんて思っているとめいちゃんが私にこう尋ねる。


「寧音ちゃんはどうなの? 寧音ちゃんも声優とかアイドルに興味ある? ゆいちゃんは一人で不安だろうし、興味あるなら一緒にやってみない?」


 ……ドキッとした。私の心を見抜かれているようで。

 私だって、やりたい。やりたいよ? でも……。


「ん~、わかんない」


 そう言ってごまかしちゃった。

 私にできるのか不安だし、何よりわかんない。


「そっか。……じゃあそういうことだから。しばらくはなんか変な感じだと思うけど、あったかい目で見てあげて」


 そう言って部屋を出ていくめいちゃん。

 みんな進んでく、でも私だけ同じ場所にいる。

 進みたい、でも一歩が踏み出せない。

 どうして私はこうなんだろう……。


「あ、お風呂入らなきゃ……」


 ついでに洗濯物も持って行かないとね。

 キャリーから袋を持ち出して、お風呂場へ。

 普段なら大好きなお風呂の時間。

 いつもは温かいお湯に浸かって、楽しかったことを思い返す楽しい時間。

 今日だけはもやもやした気持ちを抱えた、変な時間だった。





 短い春休みを、お互いの趣味に充てた私たち。

 アニメや漫画をずっと見たり、かわいいものを探したり。

 ちょっと変わったことと言ったら、たまにゆいちゃんが外に出るようになったこと。

 何してるの~? って聞いたら散歩なんだって。

 花粉症しんどいから外出たくない、って言ってたのに。

 あ、でも雨の日くらいか散歩してるの。

 傘をさして近所をひとまわり。ゆいちゃんにとってはかなりの運動。

 家出てるの10分くらいだけどね!!

 それでもゆいちゃんは夢に向かって進んでる。

 例え一歩は小さくたって。

 私も声優になりたい。キラキラしたステージに立って、歌って踊りたい。

 同じ夢を持ってるはずなのに、なんで私はこうなんだろう……。

 あの日から抱えたもやもやが、また少し大きくなった気がした。


 そんなこんなで進級をし、高校3年生になった私たち。

 進路について考えないといけないなぁ、なんて少し焦りを感じていたある土曜日。

 珍しく、本当に珍しくゆいちゃんが早起きをした。

 Tシャツにジャージ、リュックを背負ったゆいちゃんが意気揚々として家から出ていく。

 それを見届けると私は部屋で動画を見る。

 こうしてスマホに映る、大好きなキャラを眺めていると、あっという間にお昼に。

 お母さんも出かけているから、ごはんは期待できない。

 自分で作ればいい? 私にそれができると思って?

 なんて一人で開き直って物色していると、棚にカップ焼きそば。

 冷蔵庫には魚肉ソーセージ。

 ……これにしよっと!


 お昼を済ませた私は、再び動画へ。

 ちょっと趣向を変えて、スポーツのアニメを見てみることに。

 ……やばい、面白い。

 24話、だいたい12時間。一気に見ちゃう?

 没頭しているといつの間にかお母さんもゆいちゃんも帰ってきてた。

 晩ごはんを食べるゆいちゃんはとても疲れてて、なんか…辛そうだった。

 部屋に戻った後、スマホに届いたニュースの通知。

 ロクスタ桐嶋かなめ、グループ卒業の文字で全てを察する。

 詳しく見てみると、6月のワンマンライブで卒業するらしい。

 これ、あれだよね?

 平日開催だけど、たまたま学校が半日で終わる日だから頑張れば行ける!ってチケット取ろうとしてたやつ。

 落選してめっちゃ落ち込んでたやつ。

 どうやって慰めようか考えてたらゆいちゃんの部屋から


 「ぜったいいく!!」


 って叫び。うるさいなぁ!

 文句言ってやろ! そう思って扉に向かうとバタバタとした足音が。


「ねおんちゃん! かなめちゃんにあいにいこ!!」


 ノックもせずに扉を開けて、そう言ったゆいちゃん。

 話を聞くと、かなめちゃんがめいちゃん経由で声をかけてくれたんだって。

 なんと私まで声をかけてくれたみたい。

 ありがたいなぁ。


「うん、いいよ」


 私もすぐに答えた。

 そうして迎えたワンマン当日。

 すごかった。大きな会場でのライブって初めてだったから。

 かなめちゃんがとってくれたホテルでごはんを食べていると、唐突に言われたゆいちゃんのデビュー。

 気まずそうにこっちを見るゆいちゃん。

 大丈夫、知ってるよ。


 そこからのゆいちゃんは気合が入った様子で、毎日を過ごしてた。

 いよいよ、デビュー当日。

 めいちゃん、かなめちゃんと3人でその時を待つ……。



作者の私も当日おりますので、皆様ぜひお越しください。

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