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生贄令嬢の幸せ  作者: maruko
本編

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30/48

セリナの異変

今日は学園で朝からセリナの元気がなかった。

どうしたの?と聞いても、首を振るばかりで、それなのに気付くとアルシェリーナの顔をジッと見つめていた。

セリナは割とポンポン物を言うタイプだ。

こんなにも躊躇する事も煮え切らないのも珍しい。

これはじっくりと聞いてあげなければならない案件では?

アルシェリーナはお昼休みに思い切って切り出した。


「セリナ!何か困った事態になっているのではないの?私に話して見て!猫の手よりはきっと役に立てると思うのよ(なんせ、私には愛子(めでご)のルーカス様がついてるもの)」


アルシェリーナは自信満々で立派なお胸を張った。

セリナはその言葉に潤潤の目で見上げ、決心したように口を開きかけた時に彼女は教師に呼ばれてしまった。

行きかけてセリナは「今日帰りに寄り道を」と言って急ぎ足で教師の元へ向かった。

仕方なくアルシェリーナは本日ぼっち飯でサンドイッチを頬張った。

そういえば今日はトゥールも来ていない。

彼はルーカスの側近だが、来れないルーカスの為に学園内の情報把握に余念がない。

だから意外にも皆勤賞並みに通っていたのだが


─昼から来るのかしら?─


そう思っていたのだが、その日は結局トゥールは来なかったし、セリナは教師に呼ばれた後、戻ってきたのは放課後だった。


昼休憩から放課後まで教師に呼ばれていたセリナは帰ってきた時には顔色も悪く、よく見たら少し目の縁が赤かった。


「セリナ泣いていたの?」


疑問に思ったアルシェリーナの直球に、セリナは堪らなかったのかポロリと涙が一筋頬を伝った。


「セ、セリナ!」


アルシェリーナは直ぐにセリナの顔を隠して「早く行きましょう」そう言ってセリナを抱える様にして馬車止まりまで急いだ。

タイオール伯爵家の馭者に今日は自分の家の馬車で送るから遅くなると伝言を頼み、ドュバン家の馬車で城下町に向かった。

セリナと行ったことがあるカフェなら確か個室があったはずと思いそこに向かう。

その間もセリナはずっと俯いてハンカチを目から離せなかった。



個室に入りカモミールティーを2つ頼み店員が下がるのを待ってからセリナに声をかける。


「セリナ、如何しちゃったの?」


未だ俯いたままのセリナにアルシェリーナは心配で堪らなかった。


「そ、それが色々と誤解があって、でも申し訳なくて、それでどうしようかと思って」


はっきりきっぱりのセリナが口をモゴモゴと言いにくそうにしているのは、よっぽど言いにくい事なのだろうとアルシェリーナは身構えた。




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