俺が国王だとバレる訳にはいかない
1話
「歴代最強国王兼天才冒険者、俺」
ムーティヒ「お前の代わりが見つかった。さっさとパーティから出ていけ、この役立たず」肉を食べながら言う
マギ「私の靴を舐めるんなら、許してあげなくもないわよ。」テーブルに足を乗せる
メンヒ「本当にトゥーフェイストさんじゃなくて大丈夫ですか...?ゴブリン討伐の時も、ゴーレム退治の時も、倒れた私達を助けてくれたのはフェイストさんじゃないですか.....このパーティの中で1番レベルが高いのもフェイストさんですし...その、フェイストさんは、なにか戦えない理由があるんじゃないですか?」
トゥーフェイスト(あるな。俺がお前達の成長の妨げになってはいけない。だが目の前で死なれては気分が悪い。だから緊急時の回復と逃走だけ手を貸しているんだが...)
ムーティヒ「そんなん知るか!戦えねぇってだけで荷物なんだよ!」ドンッ
トゥーフェイスト「いたた」
ムーティヒ「とにかく、今日限りでお前は解雇だ。装備とアイテム全部置いていけ。いいな!」
トゥーフェイスト(まぁ俺は素手でもドラゴン討伐できるからいいが...お前達は俺が見てないとケンタウロスにも勝てないだろ。本当に大丈夫か?)
ムーティヒ「わかったらさっさと出ていけ!」
ドンッ!!
トゥーフェイスト「やれやれ...見る目のない国民だな。しかし俺は装備も金もない...ギルドに行ってモンスターでも倒しに行くか。」
~ギルド~
ファウ「ようこそギルドへ...ってあれ、トゥーフェイストさんじゃないですか!迷子ですか?お母さんとお父さんは?」
トゥーフェイスト「馬鹿にするな。パーティから追い出されただけだ。それより、何かいい依頼をくれ」
ファウ「えぇ~?追い出されちゃったんですかぁ~?まぁトゥーフェイストさん、見るからに弱そうだし、仕方ないですよね~♡」
トゥーフェイスト「...依頼を...」
ファウ「依頼~?ほら、薬草詰みなんて如何ですか~?弱っちぃフェイストさんにピッタリですよぉ~♡」
トゥーフェイスト「...」ギロッ
ファウ「ひぃぃぃ!?!?ごめんなさいぃ!!でっでも、モンスター討伐の依頼はステータスを測り規定値以上のステータスを持つ人じゃないと受けられなくて!!フェイストさん、どうせしないからってステータス測らなかったじゃないですかぁぁ!!」ガクブル
トゥーフェイスト「あーそんなこともあったな。なんでもいい。測ってくれ。」(ステータスを測ったら俺が国王ってバレるからなんだが...まぁいいか。ペテン師のスキル「偽装工作」でステータスを弄って...よし、これでいい。今の俺の半分もない。完璧だな。)
ファウ「そ、それじゃあ、このステータス測定器に手を...」
トゥーフェイスト「わかった」
ボゥン...
トゥーフェイスト ♂
職業:ペテン師
力:SS 魔力:SS
賢さ:SS 防御力:SS
素早さ:SS 器用:SS
ー魔法適正ー
炎:SS 水:SS
風:SS 土:SS
光:SS 闇:SS
時:SS 空:SS
トゥーフェイスト「どうだった?」
ファウ「あ...ああ......あ....」
ファウ「ありえないですぅ〜!!!」
ファウ「こんなのおかしいです!だって、一晩で集落を壊滅させる、危険度Sのドラゴンだって、最高ステータスはAなんです!!」
ファウ「なのにトゥーフェイストさんはオールSS!王族並です!」
トゥーフェイスト(まぁ俺国王だしな...)
トゥーフェイスト「で、依頼は?」
ファウ「どんな依頼でも受けられますよ!キングハニーもメアナイトも、どんなモンスターだって討伐できます!」
トゥーフェイスト(強いモンスターは国民の成長のため残しておきたいし、俺は宿に泊まれる金があればいいからな...)
トゥーフェイスト「じゃあこの危険度Cのリトルデビル」
ファウ「えっ...」
トゥーフェイスト「ダメか?」
ファウ「いえ、大丈夫ですが...リトルデビルは今、とあるパーティが討伐に向かっていて...」
トゥーフェイスト「とりあえず行ってみるよ。」
ファウ「はい!出来るだけ早くお戻りくださいね♡」
〜モンスターの森〜
トゥーフェイスト「ここがリトルデビルの住処か...大型モンスターもいないらしい。うんうん、平和で何より。」
ドカァァァァァン!!!
トゥーフェイスト「そうでもないか。」
フィーメル「うわぁぁぁぁぁん!!なんでぇぇぇぇぇ!!」
ビーイン「まずいです...どうしてここにキメラが...」
ラヴ「一巻の終わりです。来世に期待しましょう。」
トゥーフェイスト(あれはキメラか...凶暴なモンスターだが、1度戦えば多大な経験が得られる。もう少し様子を見よう。)
フィーメル「こんなんなら家で寝てるんだったぁぁ!!私を外に連れ出すから!!!パパとママのバカぁ!!」
ビーイン「最期くらい、ゆっくり死にたかった...」
ラヴ「せめてこれだけは...ビーイン、あの時お母さんから貰ったサンドイッチを食べたのは私です。お父さんが作ったマスタードマシマシサンドと交換したのも私です。」
トゥーフェイスト(全員戦う気がないのか...?このままじゃ死ぬぞ...)
キメラ「ガオォォォォ!!」
トゥーフェイスト「あぁくっそ!」
ザシュッ
フィーメル「あ゛り゛がと゛う゛ござい゛ま゛ずぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!」
ビーイン「助かりました...命の恩人です...」
ラヴ「いるならいると言ってくれれば、私だってあんな自白せずに...」
トゥーフェイスト「はぁ...」
フィーメル「あの!!!」
フィーメル「もし良かったら、私達のパーティの入ってくれませんか!?」
フィーメル「私達、今からリトルデビル討伐なんですけど...貴方様がいれば、どんなモンスターが相手でも平気な気がするんです!!」
トゥーフェイスト「まぁいいが」
フィーメル「助かります!」
フィーメル「あっでもその前にキメラの素材を回収しておかないと...」
ビーイン「今日はご馳走が食べられそうです...ジュルリ...」
ラヴ「今日はステーキの気分です...ふふふ....」
トゥーフェイスト「はぁ...これからこいつらと一緒か...」