高校一年生 3
クラスでの自己紹介も終わりLHRも終わったので
私は教室を出た。
「音ちゃんだよね?」
たまたまドアを開けたところに居た男の子にこえをかけられた。
身長は175cmくらいで細い、少しもっさりしたマッシュ頭の人だった。
どっかで見たことあるな・・・・って思って考えていたら
「幹人だよ。わかるかな?」
「あ、幹人くんだ!わかるよ!」
幹人くんとは何度かLINEのグループでも話していた。
そして入学式の1年生代表としてあいさつをしていたのも幹人くんだ。
「よかった。音ちゃんで合ってた。」
そう言いながら笑った笑顔がかわいくて
もっさりした頭じゃなかったらきっとモテるんだろうな・・
なんて思ったりしていた。
幹人くんとは生徒玄関まで話しながら歩いて
生徒玄関でお互いバイバイするのかな?なんて思っていたけど
靴を履き替えて生徒玄関の扉を出ると幹人くんが居た。
私に待っててね。と声をかけると自転車置き場に行き自転車を手で押しながら戻ってきた。
「お待たせ。駅前まで一緒に帰ってもいい?」
幹人くんは電車通学の私とは違って自転車通学だったみたいだけど
高校から歩くと25分くらいかかる道のりを自転車を押しながら一緒に歩いてくれた。
中学の時、彼氏は居たけれどあまりいい思い出がないうえに
少し男の人が苦手になってしまっていた私は初めは不安だったが
その不安が嘘みたいに幹人くんとは25分があっという間に感じるくらい楽しく駅前まで帰れた。
「音ちゃんまた明日。気を付けて帰ってね!」
「ありがとう。幹人くんも気を付けてね。」
幹人くんとバイバイをして電車に乗った。
LINEを見ると穂波ちゃんから明日は軽音部見学いこう!と来ていた。
それに二つ返事で返して今日一日のことを振り返っていた。
新しい学校、新しいクラス、新しい人たち、咲ちゃん穂波ちゃん幹人くん・・・
なんだか慣れない場所に居た疲れがでたのか私は終点の最寄り駅まで気づいたら寝てしまっていた。