高校一年生
外は薄暗く、周りには私服の個性豊かな人だらけ。
今日は高校の入学式だ。
夜間高校なので入学式は17時から始まった。
座り心地の良くないパイプ椅子に腰かけて
真新しい体育館シューズを履いた。
私は同じ中学校だった人はこの学校には居ないので
少しドキドキしていた。
「同じクラスだね!よろしくね!」
隣に座ってきた女の子が声をかけてくれた。
「よろしくね。」
私もそう返すと、その子は自分の名前と
フィリピンと日本のハーフだということを教えてくれた。
きっと普通はこういう子とどんどん仲良くなって
やがて親友と呼べる存在になっていくのが定番なんだろうけど
私はこの子よりも仲良くなりたいと思ってる人がいた。
同じ中学校の子がいないのに誰だよ・・ってなるだろうけど
このご時世はSNSでつながりを広げることができる時代だ。
中学校を卒業してから同じ高校になる人たちと繋がれる
LINEグループに私は入っていた。
ツイッターで〇〇高校一年生になる人繋がろう!
みたいなツイートを見て入ったのである。
そう。私の会いたい人はそのグループで出会った人だ。
クラス発表の時点で分かってたことだが、その子とはクラスが違ったため
入学式のあとに会う約束をしていた。
長い長い校長先生の話を聞いて、
LINEのグループでも個人でもメッセージをしたことのある男の子が
1年生代表のあいさつをしているのを聞いて
やっと入学式が終わった。