【第三章】第十一部分
夜10時の就寝時間となった。
光秀奈たちは揃って、女子部屋にいた。
「おねいさんは、ちょっとサクラの花を摘みに行ってくるよ。」
今は夏の前で、サクラの花はとうの昔に散っている。
かつえの態度はしおらしく、しかしメス顔で女子部屋を出ていった。
かつえは、トイレに向かわず、信永の寝室の障子の前に、こそっと座って、耳をそばだてていた。
灯りの点いた部屋の中から、衣擦れの音がかつえの耳に突き刺さった。明らかに二人いて、ナニかを始める準備をしている。
(おねいさんは、気になるよ~。)
かつえは聴診器に頼らず、障子にコブシ大の穴を開けるという暴挙に出た。
かつえの大きな右目には、信永と卵丸がふとんに並ぶシーンが投影された。
『うわ~!』と叫びたくなるのをガマンして、梅の実のように青くなったかつえが女子部屋に戻ってきた。
「ふたりが布団の前に並んでいたよ。」
「「「えええ!?」」」
サプライズの叫びの花が、咲いて散りまくった。
「ワタクシは梅の花を摘みに参りますわ。」
梅はサクラよりも前に終わっている。
危蝶はトイレを素通りして、信永の部屋に直行して、ひっそりと座った。
「あら、丁度よくアナルが、いやアナが空いてますわ。」
危蝶は大穴から中を見やった。
「布団が盛り上がってますわ!これって、まさか!?恥ずかしい行為の、始まり始まりじゃなくて~?」
危蝶は大声になりそうになり、慌てて女子部屋に走り込んだ。
「ご両人が布団内で下半身屈伸運動を反復してましたわ!」
「「「えええ!」」」
女子部屋に驚愕の嵐が吹き荒れた。




