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【第三章】第九部分

卵丸は森蘭丸の子孫であり、魔法少女モンスターである。但し、光秀奈たちよりも一歩先に行っていた。

 クローンのように、多数に分身する能力をフィールド外でも発揮できた。それは多彩な幼女を演じるという悲しい性によるものだった。


「ここが旅館なの?アメニティのかけらもないんだけど。」

修学旅行の光秀奈たち一行が到着したのは、本能寺そのものだった。

眉間に深々としたシワを形成するかつえが、叫ぶように宣言した。

「さあ、お泊まり開始だよ。ここでは自給自足的な生活。それこそが、修学旅行なんだよ。」

お寺と言っても、厨房設備がある。有名な寺で、毎年数人のピンポイント修学旅行者がいるので、お寺の方も受け入れ態勢が整っていた。みんなで作業する方が、コミュニケーションが取れる。結束も高まる、という学校側の考え方にも一理ある。

せっかくの旅行なのに、光秀奈たちは不機嫌全面展開である。引続き信永が卵丸のお姫様抱っこを継続しているからである。

しかし、その不機嫌が超快感に変わる瞬間が訪れた。

「料理は連係プレイもいいけど、ここでは、各自の作品を持ち寄って、みんなで食べるという形式を取るよ。」

卵丸は料理を作ることに関しては、まったくダメだった。対人コミュニケーションは徹底的に訓練を受けていた。しかしそれは幼女スキル養成のため。当然だが、幼女に料理スキルは無用である。食べる時に、おいしく、場合により、不味いと見せる技を修得するのがメインの訓練であった。

そんな卵丸を見て何かを悟り、不気味なくらい、ニンマリしたかつえが大きな声を出した。

「さあ、みんな食事の準備をするよ。」

光秀奈、日吉、危蝶はうなずいて、メイド服に着替えた。

「あんたもだよ、森さん。」

卵丸はモジモジして、内股になっている。

「トイレなら行っといで。」

「違う!まるこ、料理できるけど、手が腱鞘炎で。」

卵丸はかつえへの対抗意識を露わにして、信永に飛び乗って、姫様抱っこ状態となり、信永の顔を触りながら答えた。

かつえがみんなの意見を代弁した。


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