【第三章】第四部分
5分後、危蝶は冷静になって発言を加えた。
「でも、大うつけ様はイヤですわ!」
さらにかつえが珍しく危蝶のフォローをした。
「とにかく、上様を元に戻そう。そうじゃないと、始まらないよ。」
かつえがナース服の胸元を少し開いて、赤いほくろをみせるも、オカマモードは変わらない。
「おかしいねえ。開き方が悪かったのかな。じゃあ、今度はこうだよ。ガバッ!」
かつえはナース服のボタンを全部外して、下着がオール開帳されてしまった。しかし、オカマモードは不変である。
「こうなったらできれば避けたいけど、背に腹は変えられない明智さん。出して。」
「出してって、まさか、スカートに隠された闇の秘宝を?」
「もったいつけるんじゃないよ。そこの内容物を開示するだけ。何も減ることもないし、加算もされないよ。」
「純情乙女の心が削られるよ!」
「上様へのドス黒い思惑を持つ女がなにを言うんだよ。いいから、出しな!ガバッ。」
かつえが光秀奈のほくろを、信永に見せたが、やはり変わらない。
「いったい上様はどうなってるんだろうね?」
かつえの『ガバッ動作』は、日吉、危蝶をも襲ったが、事態は変わらなかった。
「そんなことしてもダメ。それ、元に戻らない。まるこ、その方が都合いいし。」
卵丸はやはり表情のない顔を隠している。
『・・オレ。』
光秀奈の耳に何かが届いた。
「今のは何?よく聞こえないよ。」
『オレ・・オレを。』
「えっ?オレオレ詐欺?じゃなくて、信永会長の心の声が、あたしの頭に入ってきてる?」
『オレは元に戻りたい。こんな情けない姿でずっといるなんて耐えられない。』
信永会長は心で泣いている。 それを光秀奈だけは、わかった。
「あたしを殺してもらうにしても、あたしの好きな信永会長にやってほしい。えっ?あたしの好きな?あたし、今何て言った?」
光秀奈は自爆して自分の気持ちに気づいたが、何もできずに、翌日を迎えた。
放課後、光秀奈、日吉、危蝶、かつえは生徒会室に集まった。
光秀奈たちが、かつえと生徒会室に一緒に向かうのは、初めてだった。
「みんな、お疲れ様だよ~ん。今日も元気でいい顔をしてるだよん。アタシはうれしくてウキウキウッキーだよん。」
笑顔の信永は患者椅子から手を大きく振っているが、波目には威厳の存在が皆無であった。
信永は、一見元気に見えるが、目にクマがあることに気づいていた。
『オレを元に戻してくれ。こんなのはぜったい嫌だ!』
「あたしには聞こえるよ、信永会長の声が。」
『ほ、ほ、』
「信永会長は何か言ってるよ。」
光秀奈は心の耳に全神経を集中した。
『ほ、本能寺に、』




