【第三章】第三部分
光秀奈はあんぐりとした自分の口を閉じることができなかった。
『ごく、ごく、ごく。』
信永はジュースの缶を自分の口に当てている、しかし、嚥下はせず、口内に液体を留めている。
「「「「えええっ!」」」」
光秀奈だけでなく、四人が瞳孔を開くような目をしている。
信永は卵丸に対して、口移しでジュースを飲ませようとしている。
「それだけはダメ~!」
信永を寸止めに入った光秀奈。
「あんたは、そんなことして、いいと思ってるの?」
「キスはただのあいさつ。まるこ、ホンバンは夜。」
「そんなの、たわごと、ママゴトとは違うんだよ!」
「その言い方、まるこには、シタコトあるような言い方に聞こえる。」
「シタコト!?な、ないよ!」
『カミングアウトした!』と残りの三人は思ったが、自分の胸に手を当てた後、長考した。
勢いを失った四人を見て、口移しは取り止めて、卵丸は自分でジュースを飲んだ。
その時、口元から一滴のしずくが落ちた。
『ビュン!』
目にも止まらないスピードでろくろ首のように、首を伸ばして、信永がそれを自分の口でキャッチして、ペロリ。
四人は絶句したまま、石地蔵として成仏した。
「みんな黙ってて、まるこ、面白くない。」
卵丸はパッツンの前髪を上げた。そこには日の丸のような特大の赤いほくろがあった。
「う。」
四人は思わず唾を飲み込んだ。卵丸のほくろに圧倒されたのである。
「うほほほ~い。」
今度は信永に大異変が起こった。
「まるこちゃんはアタシのものだよ~ん。もうガマンできないよ~ん。ブチュ、ブチュ、ブチュ。」
オカマモード信永はいきなりキスの3連発。卵丸のほっぺたに、である。
「これはノーカンだよ!」
いち早く、光秀奈が判定し、他の三人はソッコーで同意した。




