表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/107

【第二章】第四十部分

「ハックション。風邪かな?」

岐阜県在住の義父には、どんより空気のほんの一部が到達した。


「デート場所は斎藤くんが決めてくれ。」

そのまま、信永はかつえとともに屋敷に戻った。

残った日吉と光秀奈がブツブツと井戸端会議をしていた。

一方の危蝶は、しばし思案していたが、突然立ち上がって、大きな声を出した。

「デートコースを考えましたの。場所として適しているのは、病院、たい焼きや、ギャグのできる広場のあるところです。しかし、岐阜県出身のワタクシはそんなところ、知りません。困りましたわ!」

日吉はその言葉を聞いて、ニヤリと猥雑な口を見せた。

「それならウチに任せてんか。地元民やからな。」


こうして、件の日曜日はすぐにやってきた。みんなにとって、来てほしくない日ほど、スピード感を持って立ち向かってくるものである。

晴れの日曜日の公園前。噴水が明るい光を浴びて、虹を作っている。

危蝶は、50メートル弱離れた電柱の影に隠れて、噴水前の様子をウォッチしている。

「あら、ちゃんと時間前にやってきてくれてますわ。あっ、織田信永様が時計を見ました。時間を気にしてますわ。この焦らしがいいと、デートハウツー本に書いてありました。さあ、全世界動画満場一致で、ワタクシの出番ですわ。」

シルクの白いシャツに、茶色のズボンの信永がベンチに座っている。

「お待ちになりましたか?」

「いや、そんなことはない。5前に来たばかりだ。」

「いえ、4分42秒前ですわ。」

「正確性がずいぶんと高いな。まるで、ここから42メートル42センチ離れた場所から、オレを見張ってたような感じだな。」

「そ、そんなことありませんわ。ホホホッ、ペッ。」

口からワタクシの何かを吐き出してごまかした危蝶。

薄いピンク地に花柄のワンピース。膝上10センチの絶妙な長さのスカート部分。小さな蝶が無数に舞っており、お嬢様にふさわしいコーデである。

「これからいったいどこに行くのかな?」

「こちらの方向ですわ。」


ふたりが向かったのは商店街の壊れた箇所の修理をしていないアーケードだった。

「ここで買い物でもしようっていうことなのかな。しかし、あまり若い女性が買うようなものは売ってなさそうだが。」

「そんなことはありませんわ。こんな商店街だからこそ、楽しめることがあるのです。お宝などあるかもしれませんわ。売っているのは、一物とは限りませんから。」

「イチモツ?」

「いや、物とは限りませんわ。ホホホ~ッ。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ