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【第二章】第三十九部分

数分後、危蝶は音を立てずにドアを開いて入室してきた。白い学校指定の制服に着替えている。仮面も付けてはいない。漆黒の黒髪が歩みに応じてキラキラと光って揺れている。

危蝶は患者椅子に座っている信永のところまで進んで、正面に立った。

「斎藤さんがエロく迫りそうだよ。」「ヤバい!」「けど、エロトークに信永会長が呆れ返れば好都合。」「いやそれ以前に、会長がエロい言葉を聞くとどんな反応をするのか、楽しみ。」

ワクワク状態の生徒会メンバーである。

「こんな意思統一がまったくできていない生徒会の在り方は、いかがなものでしょうか。十人十色の生徒たちの意見を吸い上げて、多数の者が納得できるような政策を実行中するのが生徒会の役割というものです。生徒会役員がそれぞれの考えをしっかり述べた上で共有し、同じベクトルに向かっていくことが重要です。」

さらに危蝶の言葉が続く中、光秀奈がポツリとこぼした。

「あれ?ここはどこ?エロはどこ?あたしは非エロのピエロ。」

光秀奈が危蝶の話を遮ったため、危蝶は光秀奈に冷徹な目線となった。

「ワタクシの言葉のどこがエロくないとおっしゃるの?全編エロに浸食されてるではありませんか。エロっとゲリキュアですわ!」

1億人のゲリキュアファンを敵に回す覚悟を決めた危蝶?

「雑談はそこまでにしておけ。ところで斎藤くん。次の日曜日、デートしようではないか。」

あまりの衝撃に、危蝶も含めた全員の口が阿呆のように開いて、沈黙は永遠に続くと思われた。

そして時は驚愕の感嘆詞と共に動き出す。

「「「「えええ~!」」」」

当事者の危蝶が代表質問に立った。

「織田信永様。デートするって、いったいどうしてそんなことになったんですの?うれしいですけど。ポッ。」

赤らめた危蝶の顔は、回りの空気をますます悪化させた。

「岐阜の義父から紹介を受けたので、無視できないんだ。」

「「「義父って、すでに婚姻届け済みってこと!?」」」

 かつえ、日吉、光秀奈は額に滝のような汗をかいている。

「いや相手がそう名乗ってきたから、使ったまでだ。他意はない。」

「「「ふう。良かった!」」」

パニックにはならないように見えたが、デート開催という現実が女子たちの脳内に立ちはだかった。

「「「まさか、『上様が、』『信永様が、』『信永会長』が、デートなんて。『おねいさんを、』『ウチを、』『あたしを、』差し置いて、岐阜県の義父め~!。」」」

三人が一様の反応を示した。


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