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【第二章】第三十一部分

「あら、ずいぶんとあっさりですわね。勝利の女神はワタクシに微笑んだ、のではなく、ワタクシこそ、勝利の女神ですから。ホーホホッ。」

「その勝負、ちょっと待てや!」

安物金色8本ツインテ、制服姿の日吉が、危蝶の前に立ち塞がった。

「日吉!?どうしてここに。」

「たまたま通りかかっただけや。」

「そりゃそうだ。学校だもんね。」

「そこは、わざわざ助けにきてくれたんだね、ってツッコミ入れんかい!」

「それってツッコミになるの?」

「ええい、どうでもええわ。ウチが光秀奈を助けたるんや。これでどないや!」

日吉は猛獣のように危蝶に挑みかかった。

「危険が危ないですわ!」

「あまりに陳腐過ぎるで!」

「賃歩ですって?」

「全然違うわ!光秀奈の負けや、完敗や、乾杯したいんやけど。そうやない、負けたことは認めるから、退学だけは許してや~!」

日吉はスライディング土下座を決行した。

「おやおや、言葉と態度が合ってませんわね。謝るならば、それなりの言葉を使ってくださいな。」

「あっ、ならば言い換えるで。斎藤危蝶様、光秀奈の退学だけは、お許し願いまへんか。」

「日吉、そんなことまでしなくても。あたしは大丈夫だから。」

「大丈夫やあらへん!退学してもええん言うのか?退学したら、念願が果たせなくなるんやで。」

「願いはどっちにしても叶わないかもしれないよ。だからいいの!」

「ウチと友達じゃなくなっても、ええん言うのか?」

「そ、そんなこと、イヤに決まってるじゃない!」

「そや。だから、光秀奈も頭を地面につけるんや!」

光秀奈も、大名行列を前にした百姓のように、四つん這いになって頭を地面につけた。

「絶景にはちょっと足りないけど、いい眺めですわね。」

危蝶が感想を述べた時、光秀奈のカブトムシ帽子が危蝶の鼻に当たった。巨大カブトムシ映像が危蝶の綺麗な瞳を襲った。

「カ、カブトムシ?蟲はダメなんですの~!」

「「そのバタフライコスで、そんなこと言う~?」」

 日吉と光秀奈は頭を上げて、目を白黒させた。

「キャアアア~!!アッ。」

悲鳴が途絶えた時、危蝶は事切れた。


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