【第二章】第十六部分
「はっ。なんや今の夢は?でもこの現実感。」
薄い蒲団を被っていた日吉は、手に硬いものがあるのを感じた。
「こ、これは印籠やない、スマホや。スマホがあるで!」
このあと、魔法少女モンスターグーサイトにアクセスして、日吉は魔法少女モンスターになったのである。
話は進んで、生徒会役員追加募集の日を迎えた。候補者は生徒会室に集まっていたが、日吉ひとりだけだった。
立ったままの日吉の前には患者椅子の信永とかつえがいた。このふたりが審査員のようである。
付き添いとして光秀奈も来ていた。
「日吉、頑張れ!」
無視した日吉だが、口の端をわずかに上げた。
信永が何も言わずに右手を上げた。オーディション開始の合図である。
「ショートコント、生徒会の日常。不肖羽柴日吉が、患者椅子の信永会長を診察するかつえ副会長を演じるで。」
リクライニングの安いサマー椅子を用意してきた日吉。光秀奈が横たわっている。
日吉は百円ショップの懐中電灯を手にして、ちょっと低めの声色を使った。
「おねいさんが、上様を解剖したいんですけど。」
「主語に『が』、を付けると、第三者的になるなあ。ちょっとよそよそしいんじゃないか。もそっと、これへ。」
日吉は光秀奈の手を取り、自分のオシリに当てて、もふもふした。
「いやん、上様ったら。ス・ケ・ベにおなり~。」
「それを言うなら、スケベ上様のお成り~、頭が高い~、下に~、舌入れろ~、だ。」
「上様、ツッコミ、シングルヒットですよ。」
セリフはすべて日吉の自作自演である。
かつえはムッとし、信永は平然としていた。かつえは信永の首に腕を回した。すぐにでも絞殺しかねないシチュである。
ショートコントは、観客の反応とは無関係に続く。
「上様。おねいさんは、たってのお願い事があるんですけど。」
「かつえはもう立ってるじゃないか。」
「立ってるのは、さっき臀部を翻弄奉った上様では?ご、ごほん。ではなく、幼い頃から、おねいさんが上様を死体にしたい、じゃなくて、上様にしたいことがあるんです。」
「なんだ。言ってみろ。」




