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【第二章】第十五部分

「お金ならもっと稼げることをしたらいい。見たところ、靴磨き屋のようだけど、お前にはお笑いセンスがあるみたいだからな。」

「はあ。」

日吉は信永の言うことがよくわからなかった。


その日の夜、借りた安アパートで寝ていた日吉。疲れ過ぎて、寝苦しくしたあと、ようやく眠りについたのだった。

小柄だが、金色生地に、桜吹雪柄で、鶴や亀が踊り狂っているド派手な羽織袴姿の老人が、日吉の夢に出てきた。

『ワシは豊臣秀吉じゃ。お主は知らぬであろうが、日吉のものすごく遠い先祖に当たるんじゃ。ワシのことは教科書である程度知っておるじゃろう。』

『あんた誰やねん。ウチは仕事で学校にあまり行っとらへんし、授業中も疲れて寝てるから、勉強はほとんどしてないんや。トヨトミ言うたら、暑苦しくなる。ストーブメーカーやからな。』

『フフン、言いよるな。本来ならパソコンでサイトにアクセスして、ワシに会うべきじゃが、日吉は貧乏じゃから、こうして夢で話をすることにしたのじゃ。』

『はあ。なんや、さっば、わからへんけど。まあええわ。』

『知っての通り、世の中の金持ちの多くは、ワシの頃と違って、エンタメ関係じゃ。大企業とか、医者とかもあるが、貧しい家庭から一攫千金となると、ハードルがすごく高い。からだひとつでできる安上がりな商売は、お笑いじゃ。日吉には、ひとたらし、であったワシの遺伝子が引き継がれておる。それを生かす手はないぞ。いますぐ魔法少女モンスタ

―グーに登録するんじゃ。パソコンを持ってないじゃろうから、そのインノウを使うんじゃ。』

『インノウ?それを言うなら印籠やろ! 』

『年寄じゃからボケたんじゃ。』

『それはお笑いのボケやなくて、真性の老人ボケや。』

『よいツッコミじゃ。魔法少女モンスターになれば、日吉の未来は、赤い薔薇色に染まるであろう。ハハハ。』

秀吉はニヤケた顔を日吉に見せつけながら、夢からフェードアウトした。



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