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【第二章】第六部分

「きゃあ~!」

たい焼きまみれになった光秀奈は、あえなく卒倒した。

「こんなオモチャのたい焼きでもだめなんや。おもろいな。」

日吉は腹を抱えて、笑いが止まらず、引きつりを起こしていた。


5分後、立ち上がった光秀奈はカッと目を見開いた。

「思い出したよ。これはたしかうちの近くの公園であった出来事よ。昔公園でお腹がすいた時に、見ず知らずの男の子とたい焼きを食べ分けたことがあるよ。ちょっと変な味がしたと思ったら、すぐにからだが痺れてきたんだよ。そしてふたりともその場に倒れてしまったんだ。」

「それはまるで毒でも盛られたような状況やな。」

「うん。すぐに男の子にお付きの子供のナースがやってきて、あたしも一緒に病院に運んでくれて、幸いにもふたりとも一命をとりとめたんだよ。」

「それは不幸中の幸いやったな。」

「でもあたし、どうしてこんなショッピングなことを忘れてたんだろう。」

「それを言うなら、ショッキングやろ!ボケを自ら買うというナイスギャグや。しかし、それは犯罪的な匂いがするな。」

「それにあのナース、どこかで見たような?」

「よし、わかったで。たい焼き苦手対策の特訓や。ドカッ!」

「きゃあ~!」

日吉は再び大量のオモチャたい焼きを光秀奈にぶちかまして、光秀奈はあっけなく地に伏した。

「オモチャじゃモンスターに変身せんのやな。光秀奈の事情はわかったし、ここはこれでええんや。」

日吉は光秀奈を保健室に連れていき、光秀奈は終日保健室を居所にした。


結局、その日、日吉はたい焼き特訓をしないままだった。

「ちゃんとたい焼き対策してよ。あたしの赤裸々な過去を告白したのはいったい何だったんだよ!」

光秀奈から要求があっても、日吉はお役所のように完全スルーした。


生徒会ではかつえのイジメは続いていた。

イジメはシンプル。たい焼きを出しては光秀奈を生徒会室から追い出す。その都度、光秀奈は生徒会室から瞬時に消えて、モンスターを務めてボコボコにされていた。

多少ジャッジから攻撃を受けても、ゲームが終わればからだは元に戻っているのだが、痛みの記憶は残る。それが積み重なればトラウマになりかねない状態となるのである。


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