【第二章】第四部分
光秀奈は呆れ顔で、ボソッと老廃物でも排出するようにこぼした。
「オバサンナースにやられてもねえ。全然似合わないよ。」
「明智さん。何か言った?」
「いえ、何でもありません。」
光秀奈は皿に乗せられたたい焼きを見て、めまいがしてきた。
「上様、ちょっと、目がお疲れ様です。」
かつえは信永にアイマスクをかけた。それはお付きのナースとしては日常的に行っていることなので、信永に違和感はない。
光秀奈は声も出せずに倒れてしまった。その瞬間、生徒会室から消えた。
気づくと、光秀奈はモンスターとなり、フィールドで痛い思いをする準備を整えていた。
「あれ?明智くんは、帰ったのか。」
「そうなんですよ、上様。明智さんは生徒会の仕事を放り投げて、そそくさと帰宅部になったんですよ。」
「ふ~む。」
信永はそれ以上口を開けることはなかった。
「信永会長、どうしてこんなにあたしに迫るの?」
信永の甘~い殺し方。キスで息を殺す。
「息ができないよ。」
「大丈夫だよ。オレの肺胞から新鮮な二酸化炭素を贈り物にしてやるよ。」
「CO2を注入されたら即死だけど、そんな殺され方でもいいよ、信永会長なら。ぶちゅう~。・・・。はっ!あたし、今本当に殺された?違う。・・・ここは保健室、あたしは明智光秀奈。今、ベッドに横たわってるのね。」
倒れたあとに目覚めたら、保健室にいるというシミュレーションを常々やっていた光秀奈に、とまどいは少なかった。気が小さい分、危機管理は十分である。
「おう、やっと起きたか。スヤスヤとええ寝顔やってな。いい夢でも見てたんか。」
夢という日吉の言葉に、光秀奈の頭に疑念が浮かんできた。
日吉が介抱したということは、さっきの夢のぶちゅう。って、本当にあった出来事なんじゃ?と光秀奈は思った。
「ねえ、日吉。あたしが眠っている間に、な、何か、こ、こう、へ、変なこと、あたしにしなかった?」
「そんなことあるか。ウチは、ゆりゆりやあらへんで!」
「でもモンスターゲームの時に、変なことがあったような?」
「そんな新石器時代のこと、覚えてへんわ!」
「それを言うなら旧石器時代というのがノーマルなんじゃ?」
「知るか、もうほおっとかんかい!そんなことより、ウチは光秀奈の弱点に気づいたんや。」




