【第一章】第二十九部分
『ピカ、チュウ~!』
「眩しいわ!ド派手のケバい衣装が、光ってるわ。」
康世の言葉は正しくなかった。輝きは、ふたりの回りに、渦を巻いていたのである。
「なにあれは?合体したの?」
康世は目を擦ってふたりをよく見た。
二人は合体したというよりは、密着して縦にくっついている。頭がふたつ並んでいるのも見える。
「日吉、変なところ触らないでよ。」
「ええやんか、ええやんか。おっぱいは揉めば減るもんやからな。」
「減っちゃ困るよ!」
「これは二人羽織だわ、ゆりゆり二人羽織よ!」
「やめて~!」
「いやよ、いやよも、キスのうちや~。」
日吉はモンスターになると、ゆりゆりになってしまうようである。
「こ、これはこれで見てみたいけど、違うわよ!こんなのにびびる私ではないわよ。羽織を取ったら、ただのふたりであるはずだから。ガバッと。」
康世はふたりの羽織を取った。
直後、康世は収賄が発覚した国会議員のように、次の言葉を失った。
からだはひとつ、おっぱいは2つ、いや4つあった。2つが縦に並んでいた。女子のボディはひとり分だが、腕も上下に2本ずつの4本で、下から生えてる腕が、上のおっぱいをマッサージしている。
「化け物!?それも辞意行為をひとりでやってるわ?」
辞意というのは、女子生徒としての、恥じらいがわずかに残っているという証拠である。
『『見たな~。こんな恥ずかしい格好を見られたら、生かして帰すわけにはいかないよ~。』』
合体声がゆっくりとしたビデオ音速で康世に届いた時には、康世のからだはゲームフィールドにはなかった。
『『終わった。』』
合体声が呟いた時、化け物も消えていた。




