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【第一章】第二十六部分

数秒間の沈黙のあと、バトルが幕を開けた。

「ふたりを同時に捌くのか、ひとりずつ血祭りにあげるのか、ワクワクが止まらないわ。」

康世は、『くくの字型』に密着しているふたりをへいげいした。フツーに見れば、相当にエロい形態である。

「今ならふたりをいっぺんに攻撃できるわね。この大鎌で突き刺せば、一気にゲームオーバーなんだけど、それでは殺戮を堪能できないわ。やっぱり、ひとりずつ大鎌の錆にしてくれるわね。」

「それを言うなら鯖や!サバイたらうまいで。」

「ギャグ言ってる場合じゃないよ。ドカ!」

まともにツッコミを入れた結果、光秀奈と日吉は無事に?分離された。

「じゃあ、こっちの平凡なモンスターからね。」

「どうせあたしは平凡なモブよ。グス。」

自分をダメダメな女子という十分な認識を持っている光秀奈ではあるが、見ず知らずの他人にいきなり見下げられるのは、痛恨な出来事である。

「このモンスター、変だわ。モンスターって言ったら化け物なのよ。ジャッジに殺されるために生まれてきたゲーム上の存在じゃない。人格を持ってるように振る舞うなんて、恐れ多いわよ。」

康世はゲームには詳しくなく、モンスターはバーチャルだと認識している。躊躇なくいたぶって殺してしまうのも、そういう背景がある。これが普通のゲームプレイヤーの感覚ではある。

「さて、ゲームを楽しませてもらうわね。びゅんっと。」

康世は軽く大鎌を振り回した。空気が切れるのがはっきりと見えた。

「痛い!」

クリティカルではないが、光秀奈には確実にヒットした。

康世は数回大鎌を振った。光秀奈は一撃を回避しても、次の太刀で確実に捉えられている。

「武器はデカイし、動きはゆっくりなんだけど、どうして当たるんだろう。」

光秀奈は肩を押さえながら、片膝をついている。

康世は、運動神経がよく、動体視力も優れているので、光秀奈は攻撃を避けても、次の攻撃でやられてしまう。

康世の攻撃が続くにつれて、光秀奈のコスが破れて肌が露出していく。フツーの男子ジャッジならば写メに走るところだが、康世はゆりではないので、見てない。むしろミミズバレを見て、イジメ対象光秀奈への好感度はアップした。

「ミミズバレ、きれいだわ。赤く腫れて盛り上がりしているところはかわいいぐらいだわ。単線だと交通的には不便だから複線にするわね。いや将来の交通量増加を見込んで複々線にすべきかしら。いや片側8車線よ、百メートル道路を作るわ!」

鉄道から道路へと、康世は国土交通省の省益を守る立場となった?

卑しげな笑顔を浮かべて、康世は大鎌攻撃を楽しむ。一方、光秀奈の防御力で、簡単には切り裂けたりはしない。

「モブって、意外にしつこいわね。ちょっと本気出して、ゲームを終わらせるわ。えいや~!」

大きな掛け声を出して、康世は大上段に構えた大鎌を、それまでの単発攻撃の倍速で、振り回した。光秀奈は、胸の辺りで真っ二つになった。

「うわああ~!」

上下に分かれた光秀奈は絶命した。


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