【第一章】第十三部分
「えっ?でもキスを受け入れたらOKって話じゃないの?」
「OKとは、おねいさん的にOKという意味。それは、おねいさんには、不本意極まりない結果だけど。さっきも言った通り、織田石油の財産目当てなら、キスしてるはずだけど、そんな輩はこちらから願い下げって寸法さ。明智さんは、珍しく、自分の気持ちに真っ直ぐだった。それは紛れもなく合格ということだよ。」
「えっ?じゃあ、あたし、生徒会に入れるんだ。ああ、よかった。」
光秀奈はヘナヘナとしゃがみ込んだ。
「それじゃあ、合格祝いだよ。ちょっと待っててな。」
生徒会室に設置してあるソファーに腰かけた光秀奈。
「あたし、スゴいこと、しちゃったのかな。ところで生徒会に入って何をするんだろう。」
光秀奈が独りごちってる内に、かつえはジュースとお菓子を持ってきた。
「さあ、合格祝いのたい焼きだよ。遠慮なくご賞味あれ。」
「た、た、たい焼き!?き、キライ、大キライ!」
光秀奈は『ムンクの叫び』の表情で瞬間移動した。
光秀奈がいなくなって、かつえと信永だけになる。信永は患者椅子で、静かになっている。
「ほら、上様。元に戻してあげるから。」
信永は目を閉じて、眠っている様子。
「おねいさんがいないと、上様は元に戻れないからね。それにしてもかわいい寝顔だね。」
かつえは幼い頃から信永を知っている、というよりお世話をしていた。
男女の子供のお世話というと、お医者さんごっこが定番である。かつえは、お医者さんになりたいの、というのが口癖だった。実家は給食サービス業者で地域の栄養源だったが、かつえはさらに人々を健康にさせたいと医者になりたいと思い、信永とお医者さんごっこしていて、それは日課のようになっていた。
そんなまだ小さい頃の、ある日のこと。
かつえは信永の屋敷内の信永の部屋にいた。かつえはいつも白衣を着て、医者のように振る舞っていた。
「かつえ、僕、ウンチを二日ばかりしてないんだけど。お腹が痛くて、このままじゃ、死ぬのかな?」
「若様、便秘みたいですね。ならば、それを治すために、お浣腸をしましょう。」
「カンチョウ!?それってオシリにブスってやるやつじゃないの?」
「そうですよ。でもご安心ください。イタくしませんから。むしろヒトによっては、気持ちいいとかいうのもアリですから。ぐへへ。」
「い、いやだよ~!」




